トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【2023年度デビュー新種牡馬】活躍が期待される種牡馬12頭の産駒の傾向を予想!!

 

2023年度にデビューする種牡馬は例年よりは多めの約40頭となっている。国内のレースで活躍した種牡馬は例年と比べると少ないが、ブリックスアンドモルタル、ニューイヤーズデイ、カリフォルニアクロームなど、外国産種牡馬が例年よりも多くなっている。

では、2023年にデビューする新種牡馬の中から厳選した12頭の傾向を予想する。

【目次】

 

 

 

 

 

レイデオロ

血統

Mr. Prospector 3 x 4

 

父は説明不要のスーパーサイアー・キングカメハメハ。

母は中央4勝のラドラーダ。

母父は有馬記念(GⅠ)と天皇賞秋(GⅠ)2連覇のシンボリクリスエス。産駒にはエピファネイアなど、母父としてはソングラインなどを輩出している。

 

全弟にはレイエンダ(エプソムカップ・GⅢ)がいる。

 

近親にはゴルトブリッツ(帝王賞/GⅠ、他重賞3勝)など、他にもオープンクラスで活躍した馬が多数いる。

 

血統にはキングカメハメハ、シンボリクリスエスなど日本で大活躍した種牡馬が多くおり、3代母・Wind In Her Hair(ウインドインハーヘア)はあのディープインパクトの母である。しかもサンデーサイレンスの血は一滴も含んでいないこともあり、高額な種付け料ながらも馬産地からの期待は高く、多くの繁殖牝馬を集めることに成功した。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • 日本ダービー(GⅠ/2017)
  • 天皇賞秋(GⅠ/2018)
  • ホープフルステークス(GⅡ/2016)
  • 神戸新聞杯(GⅡ/2017)
  • オールカマー(GⅡ/2018)

 

重賞を優勝した距離は芝2000~2400m。1800m以下に出走したことは無く、最長距離は有馬記念の2500m。テンションが高い馬でゲートが苦手であったが、ダービーでは向こう正面で先団に追い上げるなど操縦性の高さもある。ただ、スムーズに折り合わないことが多く、終始力み過ぎて直線で失速し敗れたレースも多かった。

 

 

産駒の傾向予想

 

キングカメハメハは繁殖牝馬や配合牝馬の母系の特徴を引き出す能力が非常に高い。レイデオロの母系を見るとシンボリクリスエスやWind In Her Hair(ウインドインハーヘア)などはスタミナタイプ、Seeking the Goldはスピードタイプとなっている。

馬場適正は芝ダート兼用になりそうだ。母父がシンボリクリスエスなので芝の方が大物が多そうだが、2代母の父がSeeking the Goldなのでダートが得意な馬も多く出そうだ。キングカメハメハ系種牡馬の特徴として一定以上の割合でダート産駒を輩出するので、中央では芝は5~6割、ダートが4~5割位になるのではないか。

距離適性は短距離から中距離が良さそうだ。3代母・Wind In Her Hair(ウインドインハーヘア)はディープインパクトやブラックタイドの母ということもありスタミナはある程度ありそう。ただ、そこにSeeking the Goldを種付けされたため2代母・レディブロンドはスプリンターで、母・ラドラーダはマイラー。レイデオロのきょうだいも距離が長すぎると厳しいタイプがほとんどなので、牝馬は短距離~マイル、牡馬はマイル~中距離が中心になるのではないか。

仕上がりは早めだろう。レイデオロのきょうだいのほとんどが2歳の早い時期にデビューし、2歳のうちに初勝利を挙げる馬も多い。レイデオロ自身も2歳時に3連勝していることもあり、産駒も仕上がりは早そうだ。

種牡馬のタイプとしてはロードカナロアやダイワメジャーをもう少しスタミナ寄りにした感じだろう。母父シンボリクリスエス、2代母の父Seeking the Goldということもあり、速いペースで先行押し切りが得意そう。

基本的にはクラシックよりも、牝馬はスプリンターズステークスやヴィクトリアマイル、牡馬はNHKマイルや天皇賞秋に向くタイプが多くなるのではないか。

 

 

モーニン

血統

Mr. Prospector 4+5  Northern Dancer 5 x 5  Raise a Native 5 x 5

 

父は米国ダートGⅠを2勝したHenny Hughes(ヘニーヒューズ)。産駒にはアジアエクスプレスなどがいる。

母・Gigglyは不出走。

母父は米国で複数の重賞を優勝したDistorted Humor(ディストーテッドヒューマー)。母父としてはスマイルカナ(ターコイズステークス・GⅢ)などがいる。

 

近親にはRoad to Victory(ゴールデンロッドステークス・米GⅡ)がいるくらい。

 

血統を見ると、母父Distorted Humor、2代母の父Cozzene、3代母の父Fappianoとなっているように、スピードタイプばかりだ。その通りモーニンもスピードがあり、フェブラリーステークスはレコードタイムで優勝した。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • フェブラリーステークス(GⅠ/2016)
  • コリアスプリント(KOR-GI/2018)
  • 根岸ステークス(GⅡ/2016)

 

重賞で優勝した距離はダート1200m~1600m。ダート1800mにも3回出走したが日本テレビ盃(GⅡ)で2着が最高。スタートが上手く、4角2~4番手から抜け出すのが勝利パターン。良馬場でも走ったが道悪で強く、馬場状態が重のフェブラリーステークスではレコードタイムで優勝した。

 

 

産駒の傾向予想

 

基本的にStorm Cat系種牡馬は筋肉量豊富でパワーに優れたタイプが多く、日本だとダート向きがほとんどだ。父のヘニーヒューズはアジアエクスプレスなど芝の重賞で活躍する産駒を輩出しているが、中央での通算の勝ち鞍は9割近くがダートとなっている。モーニンも馬体が雄大で筋肉量豊富となっており、一般的なStorm Cat系種牡馬と思っていいだろう。

馬場適正はダート向きだろう。Storm Cat系種牡馬の特徴として2歳から3歳前半は芝で活躍する産駒が一部出てくるが、基本的にはダート向きが多い。モーニンも一般的なStorm Cat系種牡馬に似ており、血統的にもダート要素が多い。種付け料が安く繁殖牝馬も中小の牧場が多いらしいので、中央では通算の勝ち鞍の9割近くがダートになりそうだ。

距離適性は短距離が中心だろう。筋肉量豊富な馬体をしており、気性面も前向き。血統もスピードタイプが多く、現役時代は短い距離が中心。一部の産駒で配合次第では中距離も対応できそうだが、基本的には短距離だろう。

仕上がりは早そうだ。モーニン自身のデビューは3歳5月の未勝利戦と遅かった。しかし、一般的にStorm Cat系種牡馬の産駒は仕上がりが早く、父のヘニーヒューズもその傾向だ。普通に考えるとモーニン産駒も仕上がりは早そうだ。

産駒の特徴としては父のヘニーヒューズに近く、それよりも距離適性は短そうだ。モーニン自身は揉まれるのが苦手だったので、それが産駒にどれだけ遺伝されるかに注意したい。

 

 

ブリックスアンドモルタル

血統

Storm Bird 3 x 3  Prince John 5+5

父は欧州の芝GⅠを6勝したGiant's Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)。産駒にはShamardalやエイシンアポロンなど活躍馬が数多くいる。

母はフランスの長距離リステッドで優勝経験があるBeyond the Waves。

母父は米国の芝重賞を優勝しているOcean Crest。目立った産駒はいない。

 

近親には目立った産駒はいない。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • ペガサスワールドカップターフ(米GⅠ/2019)
  • ターフクラシックステークス(米GⅠ/2019)
  • マンハッタンステークス(米GⅠ/2019)
  • アーリントンミリオンステークス(米GⅠ/2019)
  • ブリーダーズカップ・ターフ(米GⅠ/2019)

他重賞2勝

 

GⅠで優勝した距離は9ハロン~12ハロン。デビューは3歳2月と遅かったが、その年の8月には芝8.5ハロンの重賞を優勝。しかしその年の暮れに故障し約1年間休養。4歳の12月に復帰すると、5歳初戦のペガサスワールドカップターフで優勝。その後、GⅡを含め重賞を6連勝し5歳一杯で引退、社台スタリオンステーションにて種牡馬入りした。

 

 

産駒の傾向予想

 

父のGiant's Causewayはストームキャット系としては珍しく芝で活躍し、産駒も種牡馬になると芝向きのタイプを多く輩出する傾向となっている。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。エイシンアポロンなどGiant's Causeway系種牡馬の産駒は日本で走らせると、芝とダートでおおむね半々の勝ち鞍を挙げる傾向となっている。ブリックスアンドモルタルは母系に芝の要素が多いため芝の勝ち鞍の方が多くなるかもしれないが、基本的には芝ダート兼用だろう。

距離適性は長い方が良さそうだ。ブリックスアンドモルタル自身は3歳時はマイル前後を走っていたが、5歳になると1800mから2400mを走っていた。母系もスタミナ要素が多いため、産駒は長い距離の方が向きそうだ。

仕上がりは遅めだろう。ブリックスアンドモルタル自身はデビューが3歳になってからだったし、母系も重厚な血統が多い。基本的にはデビューが遅めになる産駒が多くなりそうだ。

産駒の傾向としては中長距離が得意なキズナに近くなるのではないか。キズナは母父がStorm Cat(ストームキャット)で、母系の遺伝が強い。キズナも芝ダート兼用種牡馬なので、参考になりそうだ。

 

 

 

 

 

ニューイヤーズデイ

血統

Mr. Prospector 3 x 5  Hail to Reason 5 x 5  Natalma 5 x 5

 

父はドバイワールドカップなどGⅠ2勝のStreet Cry(ストリートクライ)。産駒にはZenyatta(ゼニヤッタ)やWinx(ウィンクス)、日本でも1年だけ種牡馬として供用されたストリートセンスなど、活躍馬が数多くいる。

母は米国ダートで重賞2勝のJustwhistledixie(ジャストウィスルディキシー)。

母父は米国ダートGⅠ2勝のDixie Union(ディキシーユニオン)。母父としてはオープンクラスまで出世したエーシンレンジャーなどを輩出している。

 

きょうだいには

  • 半弟・Mohaymen(米国ダート重賞4勝)
  • 半弟・Kingly(米国芝重賞1勝、オールウェザー重賞1勝)
  • 半弟・Enforceable(米国ダート重賞1勝)

などがおり、近親にも米国ダート重賞戦線で活躍している馬が多い。

 

米国では2014年から種牡馬入りしており、米国ダートGⅠ4勝のMaximum Security(マキシマムセキュリティ)をすでに輩出している。ただ、その他に目立った産駒は出ていない。

2013年に日本で1年だけ供用されたストリートセンスは父がStreet Cry、母父がDixieland Bandとなっており血統が似ている。産駒も参考になるのではないか。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • ブリーダーズカップジュヴェナイル(米GⅠ/2013)

 

3戦しかしておらず、重賞は1勝のみ。ブリーダーズカップジュヴェナイル後に骨折が判明し引退。3歳から種牡馬として米国、ブラジルで供用されていた。

 

 

産駒の傾向予想


上記の通りストリートセンスと血統が似ており、参考になりそう。ストリートセンス産駒は中央ではおおむね1対6でダートの勝ち鞍が多く、距離適性は短距離から中距離まで幅広い。

馬場適正はダート向きが多くなりそうだ。父・Street Cryの産駒は中央ではダート向きの産駒が多いし、Dixie Unionは母父としてはほとんどがダートで走った。血統が似ているストリートセンスの産駒もダート向きが多いため、ニューイヤーズデイの産駒も基本的にはダート向きが多くなりそうだ。

距離適性は短距離から中距離までが良さそうだ。ニューイヤーズデイ自身は3戦してしていないので分からない部分が多いが、血統が似ているストリートセンスの産駒はマイル前後が中心で、短距離から中距離まで守備範囲だった。そのため、ニューイヤーズデイ産駒は牝馬は短距離からマイル、牡馬は1400mから中距離までが守備範囲で、血統によって多少の融通が利くかもしれない。

仕上がりは早めだろう。ニューイヤーズデイ自身は2歳8月にデビューできたし、きょうだいもデビューは早い。血統が似ているストリートセンスの産駒も2歳からデビューできるタイプが多いことから、ニューイヤーズデイ産駒も仕上がりは早めだろう。

 

産駒の特徴としては基本的にストリートセンスを参考にして良いだろう。ストリートセンス産駒の特徴は上記に加え、母父キングマンボ系とフォーティナイナー系との相性が良い。

父・Street CryはZenyattaやWinxを輩出しているように、この系統は牝馬の名馬が出ることが多い。そのため、ニューイヤーズデイ産駒からは歴史に残る名牝が輩出されることが期待されるが、アメリカで残した結果からするとアベレージはそこまで高くはならないのではないか。

 

 

カリフォルニアクローム

血統

Mr. Prospector 4 x 3  Northern Dancer 4+5  Numbered Account 4+4

 

父は米国ダートのGⅡで2着の経験があるLucky Pulpit(ラッキープルピット)。カリフォルニアクローム以外には目立った産駒はほぼいない。

母は米国で1勝のLove the Chase。

母父は米国で重賞未勝利のNot For Love(ノットフォーラヴ)。母父としてはオーロラテソーロ(クラスターカップ・GⅢ/2022)を輩出している。

 

母は米国で1勝、2代母も米国で1勝と平凡な成績であり、きょうだいや近親にも活躍馬がいない。母父、2代母の父ともに重賞未勝利で、血統的にはかなりの雑草血統である。サンデーサイレンスも雑草血統と言われていたが、サンデーがかわいく見える程の貧弱な血統である。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • サンタアニタダービー(米GⅠ/2014)
  • ケンタッキーダービー(米GⅠ/2014)
  • プリークネスステークス(米GⅠ/2014)
  • ハリウッドダービー(米GⅠ/2014)
  • ドバイワールドカップ(ドバイGⅠ/2016)
  • パシフィッククラシックステークス(米GⅠ/2016)
  • オーサムアゲインステークス(米GⅠ/2016)

他重賞3勝。

 

GⅠを優勝した距離はダート9F~10F、それとドバイのダート2000m。芝は9F。レーススタイルは先行押し切り。アメリカでは重賞ではないがオールウェザーでの勝利もあり、馬場を問わなかった。

 

 

産駒の傾向予想

 

北米やチリで供用されてとき産駒がすでに北米、チリ、そして日本でもデビューしている。北米、チリでは芝でもダートでも重賞の勝ち鞍を挙げているが、どちらかというとダートで走る産駒が多い。一方、日本では中央競馬で2023年4月末までに7頭がデビューし、芝では0勝、ダートで2勝している。

馬場適正はダートが中心だろう。北米やチリでは芝ダート兼用でどちらかというとダート向きが多いようだが、すでに日本に輸入して中央で走らせている産駒は芝ではスピード不足となっている。サンデーサイレンス系など芝で活躍した繁殖牝馬からは一定程度の芝向きの産駒が出てくるだろうが、日本での実績通り基本的にはダート向きの産駒が多くなりそうだ。

距離適性は短距離から中距離まで幅広そうだ。北米やチリではスピードを生かした短距離の産駒が多いようだが、すでに日本に輸入して中央で走らせている産駒は短距離から中距離まで走っており、地方では2000mで勝利した産駒もいる。どちらかというとマイル以下が多くなりそうだが、配合や折り合い次第では中距離も守備範囲だろう。

仕上がりは早そうだ。カリフォルニアクローム自身も2歳5月に初勝利を挙げているし、海外や日本ですでにデビューしている産駒も仕上がりが早めのタイプが多いようだ。成長力がどの程度あるかは不明だが、日本で供用されてからの産駒も仕上がりは早そうだ。

上記の通りかなりの雑草血統で、種牡馬としてどの程度活躍するか予想するのが難しいところだ。ただ、産駒は海外ではあまり勝ち上がり率は高くないようで、産駒の数のわりに重賞の勝ち鞍は少ないようだ。現役時代の実績は日本で供用された外国産種牡馬としてはトップクラスだが、種牡馬としての今までの実績からするとあまり期待できないのではないか。

 

 

サンダースノー

血統

Nureyev 3+5  Northern Dancer 5+5 x 4

 

父はオーストラリアのマイル前後のGⅠを3勝したHelmet(ヘルメット)。産駒はサンダースノーの他は重賞馬が数頭いる程度。

母はフランスで1勝のEastern Joy(イースタンジョイ)。

母父はイギリスのマイルGⅠを優勝したDubai Destination(ドバイディスティネーション)。母父としてはNST賞(OP)を優勝したストロベリームーンなどを輩出している。

 

きょうだいには

  • 半姉・Ihtimal(英、UAEの芝やオールウェザーで重賞3勝)
  • 半姉・First Victory(英国芝重賞1勝)
  • 半弟・Eastern World(UAEダート重賞1勝)

などがいる。

 

近親には

  • Coroebus(英2000ギニー/英GⅠ)
  • West Wind(仏オークス/仏GⅠ)
  • Balanchine(英オークス/英GⅠなどGⅠ2勝)
  • Sovereign(愛ダービー/愛GⅠ)
  • ショウナンマイティ(産経大阪杯/GⅡ)

などがいる。

 

非常に優秀な牝系出身で、上記の他にも重賞優勝馬や重賞好走馬が数多くいる。父・Helmetはサンダースノーの他には目立った産駒がほとんどいないため、サンダースノーは牝系の影響力が強いのではないか。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • クリテリウムアンテルナシオナル(仏GⅠ/2016)
  • ジャンプラ賞(仏GⅠ/2017)
  • ドバイワールドカップ(ドバイGⅠ/2018、2019)

他重賞3勝。

 

芝とダートに出走し、芝のGⅠで優勝した時の距離は1400m~1600m、ダートは2000m。スタート良く逃げるか先行して押し切るのが勝利パターン。ドバイワールドカップでは2018年にレコードタイムで優勝しており、しかも芝マイルGⅠでも優勝していることからスピードはある。

 

 

産駒の傾向予想


現役時代は芝ダートで活躍しており、しかも現役引退後は"新車"として日本に輸入されたことから、予想するのが非常に難しい。ただ、父・Helmetの影響が少ないと思われることから、牝系から予想した方が良さそうだ。

馬場適正は芝ダート兼用だと思われるが、どちらかというと芝向きの産駒が多くなりそうだ。サンダースノーは現役時代は芝でもダートでも活躍したが、きょうだいや近親は芝の活躍馬が多く、これは牝系の特徴だと思われる。パワーがありそうなのでダートを走る産駒が一定以上は出てくるだろうが、大物は芝からが多くなりそうだ。中央での勝ち鞍は芝が6~7割、ダートが3~4割程度になるのではないか。

距離適性は短距離から中距離まで守備範囲は広そうだが、どちらかというと短い距離の方がいいのではないか。サンダースノーの現役時代はマイル前後から2000mまでの勝ち鞍があるが、体型を見るとマイラーっぽい。これが産駒に遺伝すると配合次第では中距離以上でも対応できそうだが、多くはマイル以下が中心になるのではないか。

仕上がりは早めだろう。サンダースノー自身は2歳から活躍していたし、きょうだいや近親も2~3歳に活躍するタイプが多い。サンダースノー自身は5歳まで活躍したため一定以上の成長力はありそうだが、産駒は早い時期から仕上がるタイプが多そうだ。

産駒の傾向としては、先行力がありマイル前後で産駒が活躍するダイワメジャーやアグネスタキオンに近いか、もう少し長い距離を得意としそうだ。2歳から重賞戦線を賑わし、3歳になると牡馬は皐月賞やNHKマイルカップ、牝馬は桜花賞やサマースプリントシリーズで活躍する産駒が多くなるのではないか。

 

 

 

 

 

シュヴァルグラン

血統

Halo 3 x 4+5  Northern Dancer 5 x 4  Natalma 5+5

 

父は有馬記念でディープインパクトに土をつけたハーツクライ。産駒にはジャスタウェイなど活躍馬が数多くいる。

母は中央で短距離を中心に芝ダートで5勝のハルーワスウィート。

母父はフランスの2歳芝GⅠを優勝したMachiavellian(マキャベリアン)。母父としてはアサクサデンエン、インカンテーションなど世界中で活躍馬を数多く輩出している。

 

きょうだいには

  • 半姉・ヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル連覇などGⅠ2勝、重賞1勝)
  • 半妹・ヴィブロス(ドバイターフなどGⅠ2勝)

がいる。

 

近親には

  • テリトーリアル(小倉大賞典/GⅢ)
  • マーティンボロ(新潟記念/GⅢなど重賞2勝)
  • ブラヴァス(新潟記念/GⅢ)
  • フレールジャック(ラジオNKKEI賞/GⅢ)

などがいる。

 

元メジャーリーガーで"大魔神"こと佐々木主浩氏の持ち馬。2代母・ハルーワソングは繁殖牝馬として非常に優秀で、近親には上記のように活躍馬が数多くいる。中でも母・ハルーワスウィートは3頭のGⅠ馬の母となり、半姉・ヴィルシーナも繁殖牝馬としてブラヴァスを輩出するなど、名牝系の一族である。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • ジャパンカップ(GⅠ/2017)
  • 阪神大賞典(GⅡ/2016)
  • アルゼンチン共和国杯(GⅡ/2016)

 

重賞で優勝した距離は2400m~3000m。毎日杯で1800mに出走したことはあるが、それ以外はすべて2000m以上に使われたステイヤーである。ジャパンカップではキタサンブラック、レイデオロを下しての優勝であり、父・ハーツクライの大物食いの遺伝子が受け継がれたようだ。

 

 

産駒の傾向予想


ハーツクライ系の種牡馬はすでに複数頭が供用されているが、成功していると言えるのはジャスタウェイくらいであろう。ジャスタウェイ以外の種牡馬はスピード不足が顕著であり、シュヴァルグランはどれだけスピードを遺伝できるかが注目される。

馬場適正は芝向きが中心だろう。シュヴァルグラン自身もすべて芝に出走したし、きょうだいや近親も芝で活躍するタイプが多い。ハーツクライ系種牡馬は一定程度ダート向きの産駒が出るのでシュヴァルグラン産駒もダート向きの産駒は出てくるだろうが、基本的には芝向きが多くなりそうだ。ただ、すでに種牡馬入りしているワンアンドオンリーやウインバリアシオンの産駒はスピード不足で、産駒の多くがダートで走っている。そのため、もしスピードが遺伝されなければダート向きの産駒が多くなる可能性がある。

距離適性は長い方が良いだろう。ハーツクライ系種牡馬はスタミナを遺伝させることが多く、シュヴァルグラン自身も中長距離で活躍したため、基本的には長い距離を得意とする産駒が多くなりそうだ。

仕上がりは遅めだろう。父・ハーツクライの産駒は晩成型が多いし、シュヴァルグラン自身やきょうだいもヴィブロス以外は3歳夏以降に本格化する晩成型が中心。そのため、産駒も仕上がりは遅めだろう。

産駒の傾向としては父・ハーツクライの産駒と似た感じではないか。2歳の後半から3歳の前半に初勝利を挙げ、出世するタイプは3歳後半から本格化し、4歳以降に重賞初制覇となるのが多くなりそう。ただ、上記でも書いたが、同じ父系のワンアンドオンリーやウインバリアシオンの産駒はスピード不足でほとんどの産駒がダートで走っているので、スピードがどの程度遺伝されるかが注目される。

 

 

スワーヴリチャード

血統

クロス無し

 

父は有馬記念でディープインパクトに土をつけたハーツクライ。産駒にはジャスタウェイなど活躍馬が数多くいる。

母は未勝利のピラミマ。

母父は米国のダートGⅠを2勝したUnbridled's Song(アンブライドルズソング)。産駒にはArrogate(アロゲート)、母父としてはコントレイルなど活躍馬を多く輩出している。

 

きょうだいや近親には活躍馬があまりいないが、きょうだいは中央で10頭がデビューし8頭が勝ち上がっている。勝ち上がれなかった1頭もデビュー戦で2着に入っており、母・ピラミマは優秀な繁殖牝馬のようだ。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • 大阪杯(GⅠ/2018)
  • ジャパンカップ(GⅠ/2019)
  • アルゼンチン共和国杯(GⅡ/2017)
  • 金鯱賞(GⅡ/2018)
  • 共同通信杯(GⅢ/2017)

 

重賞で優勝した距離は1800m~2500m。ただ、芝1600mの安田記念で0.1秒差の3着に入った経験がある。長く脚を使える、道悪はパーフェクト連対、長い直線が得意という特徴がある。

 

 

産駒の傾向予想

 

2023年にデビューするハーツクライ系種牡馬はスワーヴリチャードとシュヴァルグランの2頭となっている。2頭ともハーツクライ×ミスタープロスペクター系の配合で、しかもジャパンカップとアルゼンチン共和国杯を優勝するなど、似ている印象がある。ただ、シュヴァルグランはほぼ2000m以上に出走していたのに対しスワーヴリチャードは安田記念で3着に入っているため、スワーヴリチャードの方がスピードがあるように感じる。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。スワーヴリチャード自身はすべて芝に出走していたし、きょうだいもほとんどが芝で勝利を挙げているため、産駒の勝ち鞍は芝の方が多くなりそうだ。ただ、母父がダート向きの産駒を多く輩出するUnbridled's Songなので、一定程度はダート向きの産駒が出てくるだろう。中央ではおおむね芝が6割程度、ダートが4割程度になるのではないか。

距離適性は幅広そうだ。シュヴァルグランの配合はスタミナ色が濃いが、スワーヴリチャードはスピード色が濃い。同じハーツクライ系種牡馬ではジャスタウェイに近い印象がある。ジャスタウェイは牡馬は中長距離、牝馬は短距離~マイルが中心となっており、スワーヴリチャードもこれに近いのではないか。

仕上がりは遅めだろう。ハーツクライ系種牡馬の特徴として仕上がりが遅めの傾向がある。スワーヴリチャード自身は2歳から活躍し、3歳でもダービーで2着に入るほど仕上がりは早めだった。しかし、本格化したのは3歳後半以降となっていたため、産駒も仕上がりは遅めだろう。

産駒の傾向としては同じハーツクライ系種牡馬のジャスタウェイに近い印象がある。ジャスタウェイの現役時代はマイル~中距離で活躍したが、スワーヴリチャードは中長距離が中心だったため、スワーヴリチャードの方が少し距離適性は長めかもしれない。

 

 

アニマルキングダム

血統

Lyphard 4 x 4

 

父は北米芝マイル前後のGⅠを3勝のLeroidesanimaux(ルロワデザニモー)。産駒にはオーストラリアの芝中距離GⅠを3勝したZaaki(ザーキ)などがいる。

母はドイツの芝中距離GⅢを優勝したDalicia(ダリシア)。アニマルキングダムを生んだあとに日本に輸入されている。

母父は"ドイツ最強馬"として有名なAcatenango(アカテナンゴ)。産駒にはジャパンカップを優勝したLando(ランド)、母父としてはワールドプレミアなど活躍馬を数多く輩出している。

 

きょうだいには重賞優勝馬はいないが、ラジオNIKKEI賞3着のディープキング、中央で

5勝したサトノキングダムなどがいる。

 

すでに2013年からオーストラリアや米国で供用されており、北米の芝マイル前後のGⅠを4勝したRegal Glory(リーガル グローリー)、アメリカンオークスを優勝したDuopoly(デュオポリー)、オーストラリアンダービーを優勝したAngel Of Truth(エンジェルオブトゥルース)などを輩出している。また、産駒が日本にも何頭か輸入されており、イッツリットが中央のダートで3勝を挙げている。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • ケンタッキーダービー(米GⅠ/2011)
  • ドバイワールドカップ(UAEG1/2013)

他重賞1勝

 

ケンタッキーダービーはダート10F、ドバイワールドカップは当時はオールウェザー2000m。米国オールウェザー9Fでの重賞優勝もある。他にも米国のマイル前後のGⅠで2着が2回ある。

スタートは可もなく不可もないタイプで、レースは先行から中団に位置し最後の直線で決め手を繰り出すのが勝利パターン。ピッチ走法で馬群を抜け出す器用さがある。

 

 

産駒の傾向予想

 

すでに産駒が世界中でデビューしており、芝ダート、短距離から長距離まで重賞の優勝がある。基本的には芝の短距離から中距離の活躍馬が目立つが、特徴が非常に掴みづらい種牡馬である。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。今までの産駒を見ると芝で活躍するタイプが多いが、日本に輸入した産駒はダート向きが多くなっている。もしかすると大物は芝から出てくることが多くなるかもしれないが、日本での実績からするとどちらかというとダート向きが多くなりそうだ。通算の勝ち鞍は芝が4割前後、ダートが6割前後と想定している。

距離適性は幅広そうだ。海外での実績では距離適性が幅広いが、どちらかというと短い距離を得意とする産駒が多い印象だ。そのため、日本供用後の産駒も短い距離を得意とするタイプが多くなるかもしれないが、配合次第では中長距離まで守備範囲に入りそうだ。

仕上がりは遅めだろう。海外の実績ではクラシックで優勝した産駒もいるが、日本での実績は仕上がりが遅め。父系がブラッシンググルーム系、母父がAcatenango、2代母の父がダンシングブレーヴなので、血統的にも仕上がりは遅めだろう。

上記の通り特徴が非常に掴みづらい。もしかするとまったく見当違いのことを書いているかもしれず、産駒デビュー後は傾向を慎重に確認したい。

 

 

アルアイン

血統

クロス無し

 

父は説明不要のスーパーサイアー・ディープインパクト。

母はBCフィリー&メアスプリントを優勝したドバイマジェスティ。

母父はUAEダービーなど重賞4勝のEssence of Dubai(エッセンスオブドバイ)。

 

全弟に日本ダービーなど重賞3勝のシャフリヤールがいる。

 

母・ドバイマジェスティは馬場不問の快速馬であった。基本はダートに出走することが多くダートでは重賞3勝、芝はリステッドで2勝、そしてオールウェザーでは重賞1勝している。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • 皐月賞(GⅠ/2017)
  • 大阪杯(GⅠ/2019)
  • 毎日杯(GⅢ/2017)

 

重賞で優勝した距離は1800m~2000m。他に京都記念など芝2200mの重賞で2着3回、芝1600mのマイルCSで3着の実績がある。基本的にはスタート良く道中は5番手以内に位置し、スピードの持続力で抜け出すのが勝利パターン。皐月賞ではレースレコードで優勝するなどスピードがあり、しかも道悪や坂のあるコースが得意でパワーもあった。

 

 

産駒の傾向予想

 

ディープインパクト系種牡馬は母系の特徴を伝えることが多い。例えば、キズナは母系がStorm Cat×Damascusなので先行力とパワー、ディープブリランテは母系が重めの血統なのでスタミナやジリっぽさ、そしてリアルインパクトは母系がスピード豊富なので短距離~マイルが得意、という具合だ。アルアインの母系はスピードやパワーがあるので、それを産駒に伝える可能性がある。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。ディープインパクト系種牡馬は芝向きの産駒を輩出することが多いため、基本的には芝向きの産駒が多くなりそうだ。ただ、上記の通りパワーがありそうなので、一定以上の割合でダート向きの産駒も出てきそうだ。中央ではおおむね芝が6~7割、ダートが3~4割程度になるのではないか。

馬場適正は長くても中距離までだろう。上記の通りアルアインはスピードやパワーを伝えると思われるので、基本的にはマイル前後で配合次第では中距離までという感じだろう。もっと長い距離はあまりイメージが湧かない。

仕上がりはおおむね平均程度だろう。アルアインは2歳にデビューし、3歳には皐月賞を制した。全弟のシャフリヤールもダービーを制した。他のきょうだいも2歳にデビューしているタイプが多いことから、仕上がりは遅くは無いだろう。ただ、アルアインは5歳になり大阪杯を優勝したし、シャフリヤールも4歳でドバイシーマクラシックを優勝した。母・ドバイマジェスティも5歳でBCフィリー&メアスプリントを制したことから、成長力はありそう。

産駒の傾向としては同じディープインパクト系種牡馬のリアルインパクトを少しパワー型にした感じではないか。アルアインの現役時代は先行抜け出しが勝利パターンだったし、母父もA.P. Indy系のEssence of Dubaiであることから、キレキレの決め手を使うよりもスピードで押し切るのが得意そうだ。

 

 

ホークビル

血統

Northern Dancer 4 x 5  Roberto 4 x 5  Prince John 5 x 5

 

父は北米リーディングサイヤーに輝いたKitten's Joy(キトゥンズジョイ)。産駒にはスプリンターズステークスを制したジャンダルムなど、世界中にGⅠ馬が数多くいる。

母は米国3勝のTrensa(トレンザ)。

母父はカルティエ賞年度代表馬のGiant's Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)。産駒にはBricks and Mortarなど、母父としてはレモンポップなど、GⅠ馬を数多く輩出している。

 

半弟にはFree Drop Billy(ブリーダーズフューチュリティステークス/米GⅠ)がいる。

 

近親にはTiz Miz Sue(オグデンフィップスハンデ/米GⅠ)の他、米国を中心に重賞優勝馬が数多くいる。

 

母系の血統を見るとGiant's Causeway、Fappiano、In Realityとダート向きやパワー型の産駒を多く輩出する種牡馬の名前が並んでいる。しかし、父・Kitten's Joyは芝の活躍馬を多く輩出する種牡馬で、ホークビルも父の影響が強いためか現役時代は芝レースで活躍した。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • エクリプスステークス(英GⅠ/2016)
  • ドバイシーマクラシック(UAE・GⅠ/2018)

他重賞3勝

 

GⅠで優勝した距離は芝約2000m~2410m。重賞はすべて芝12F。2歳時はオールウェザーで使われていたが、3歳になると芝に転向し以降はすべて芝に出走した。スタート良く逃げ先行して押し切るのが勝利パターン。血統的にもあまり速い上がりは使えないのかもしれない。

 

 

産駒の傾向予想


現役引退後は英国にて種牡馬入りし1年だけ供用され、その後に日本に輸入された。その時はあまり繁殖牝馬が集まらなかったようで、活躍する産駒は出していない。

馬場適正は芝ダート兼用になりそうだ。ホークビル自身の現役時代は芝で活躍したし、父系も芝向きが中心なので、産駒もどちらかというと芝向きが多くなりそうだ。ただ、母系はダート血統で固められており、ホークビル自身の現役時代は逃げ先行押し切りのタイプだったので、一定割合はダート向きの産駒が出てきそうだ。中央ではおおむね芝が6~7割、ダートが3~4割くらいになるのではないか。

距離適性はマイル~中距離くらいではないか。ホークビル自身の現役時代は2000m~2400mで活躍したが、母系の血統はスピードタイプが多い。そのため、あまり距離が長いと厳しいが、短すぎても厳しそう。牝馬はマイル前後、牡馬は中距離前後になってくるのではないか。

仕上がりは平均程度だろう。血統的には仕上がりが早いタイプが多く、2歳から走れる産駒は多そう。ただ、ホークビル自身の現役時代は5歳でドバイシーマクラシックを優勝したように成長力はある。繁殖牝馬や気性によって産駒のタイプが異なりそうだ。

産駒の傾向としては、芝ダート兼用で先行力があることからするとキズナやブラックタイド、もしくはモーリス似た感じではないか。ただ、ホークビルは決め手があるタイプではなかったので、直線が長いコースは苦手かもしれない。

 

 

ロジャーバローズ

血統

Lyphard 4 x 4  Northern Dancer 5 x 4+5

 

父は説明不要のスーパーサイアー・ディープインパクト。

母は英国で未勝利のリトルブック。

母父はフランスのマイルGⅠ2勝のLibrettist(リブレティスト)。産駒に目立った活躍馬はいない。

 

母・リトルブックのきょうだいにドナブリーニがおり、その産駒に牝馬三冠などGⅠ7勝のジェンティルドンナがいる。さらにその産駒にエリザベス女王杯を優勝したジェラルディーナがいるように、日本で活躍馬を多く輩出する牝系出身である。なお、ロジャーバローズとジェンティルドンナは7/8同血である。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • 日本ダービー(GⅠ/2019)

 

出走した距離は1800m~2400m。勝利したのは2000m~2400m。スタートが上手く逃げ先行して抜け出すのが勝利パターン。日本ダービーはダービーレコードで優勝するなど中長距離でのスピードがあった。日本ダービー後、凱旋門賞へ向けて調教していたところ右前浅屈腱炎を発症していることが判明し引退、種牡馬入りした。

 

 

産駒の傾向予想

 

ディープインパクト系種牡馬は母系の特徴を伝えることが多い。例えば、キズナは母系がStorm Cat×Damascusなので先行力とパワー、ディープブリランテは母系が重めの血統なのでスタミナやジリっぽさ、そしてリアルインパクトは母系がスピード豊富なので短距離~マイルが得意、という具合だ。ロジャーバローズの牝系はスピードがあるタイプが多いので、それを産駒に伝える可能性がある。

馬場適正は芝向きだろう。ロジャーバローズ自身や近親のほとんどが芝で活躍しており、血統的にも芝要素が強い。パワーがありそうなので配合牝馬次第では一定程度はダートで走る産駒も出てきそうだが、基本的には芝向きの産駒が多くなりそうだ。

距離適性は短い方が良さそうだ。上記の通りロジャーバローズの牝系はスピードがあるタイプが多いので、血統通りであれば短い距離の方が得意そうだ。ただ、配合次第では一定程度は中距離で走る産駒も出てきそうだ。

仕上がりは早そうだ。ロジャーバローズ自身は2歳でデビューしたし、近親も2,3歳戦が強いタイプが多い。そのため、仕上がりが遅い産駒が多いということは考えにくい。ただ、近親を見ると古馬になってからも活躍するタイプが多いため、成長力もありそうだ。

産駒の傾向としては仕上がりが早く短い距離が得意ということからすると、ダイワメジャーやアドマイヤムーンに近いのではないか。ただ、血統的には欧州色が強いため、それらよりももう少し長い距離でも走れるかもしれない。

 

 

 

 

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