トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【2024年度新種牡馬 2歳リーディング】1~5位をデータで分析

 

2024年にデビューした新種牡馬は約40頭で例年とほぼ同数となっている。クラシックを狙えるような大物種牡馬は例年よりも少ないが、ダート向きや短距離向きなど例年よりも多彩な種牡馬が多い印象だ。

全部で2024年度新種牡馬ファーストサイヤーリーディングの上位10頭を紹介する予定だが、今回は第一弾として1~5位のデータを紹介する。

【目次】

 

 

 

 

 

1位・サートゥルナーリア

Northern Dancer 5 x 4

 

 

データで見るサートゥルナーリア産駒の特徴

距離適性・芝

2024,6,1~2024,12,31

距離適性・ダート

2024,6,1~2024,12,31

馬場適正

2024,6,1~2024,12,31

牡牝の違い

2024,6,1~2024,12,31

月別出走数と複勝率

2024,6,1~2024,12,31

 

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は牡馬と牝馬で異なり、牡馬は中距離が中心でマイルでも、牝馬はマイル前後が中心となっている。牡馬は短すぎると厳しいようで1200m以下はまだ勝ち鞍が無く、比較的ゆったりとしたペースで好走することが多い。牝馬はマイル前後で決め手を使うタイプが多い。ただ、牡馬も牝馬もスタミナはありそうで長距離でも対応できそうな印象だ。

馬場適正は芝の勝ち鞍が多い。出走数も勝利数もサートゥルナーリアの現役時代通り芝が中心で、決め手を使える産駒が多いことから芝適正の高さが感じられる。しかし、ダートも出走数が少ない割には好走が多く、キングカメハメハ系の傾向通りダートも走りそうだ。今後は芝が中心だがダートも走る芝ダート兼用種牡馬になりそうな印象だ。

牡牝の違いはおおむね平均的な数字である。まだ重賞やオープンクラスを勝利した産駒は無く、1勝クラスの優勝も1頭のみ。そのため今後はどうなるか分からないが、牡馬の方が走るとかそういったことは考えにくい。牡馬は先行力があり直線に向いてもジリジリと伸びるタイプが多く、牝馬はゆったりと追走しキレキレの決め手を使えるタイプが多い。

仕上がりは今のところ平均的だ。6月からバンバン走る訳ではないが、8月からは出走数も勝利数も増えていく傾向だ。過去の他の種牡馬の傾向からすると、このようなタイプはどちらかというと晩成型が多い印象だ。

他の特徴としては、東京芝がかなり得意、478㎏以下の馬体重が比較的軽いタイプの好走が多い、中央での勝利はすべて4番人気以内、などがある。

イメージとしては同じ母から生まれたエピファネイアに近いか、もう少しダート向きが多くなりそうな印象だ。芝は牡馬も牝馬もクラシックが向きそうで、早い段階から才能を見せたタイプはクラシックでも勝負できそう。もちろん古馬になってからも活躍しピークは3歳春から5歳一杯くらいまでと想定している。

 

 

 

 

 

2位・ナダル

Mr. Prospector 4 x 4  Northern Dancer 5+5 x 5

 

 

データで見る~産駒の特徴

距離適性・芝

2024,6,1~2024,12,31

 

距離適性・ダート

2024,6,1~2024,12,31

 

馬場適正

2024,6,1~2024,12,31

 

牡牝の違い

2024,6,1~2024,12,31

 

月別出走数と複勝率

2024,6,1~2024,12,31

 

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は短距離から中距離まで幅広い。牡馬だから中距離、牝馬だから短距離ということは無く、産駒個別に守備範囲があるようだ。基本的には短距離も中距離もスタートからスピード全開で押し切るタイプが多いが、牝馬は決め手を使えるタイプもいる。馬体重も関係なく走る。

馬場適正はダートが中心。芝は6月に2勝、8月に1勝を挙げただけで、9月以降は勝利も複勝も無い。仕上がりの早さで芝を勝ち上がるタイプはいるが、基本的にはあまり芝向きとは思えない。一方ダートはレースが増えてくる9月から勝ち鞍を量産し、ダートの勝率は脅威の30%を記録。この勝率30%はサンデーサイレンスのファーストシーズンサイヤーの記録に近い。ダートは距離も馬場状態も問わないことから、ダート向き種牡馬としてとてつもない成績を残す可能性がある。

牡牝の違いは平均的か、やや牝馬の活躍が多い。ダート向き種牡馬としては珍しく牝馬の出走数が多く、複勝率も牝馬の方が高い。ロベルト系種牡馬は牡馬の活躍が多くなることが一般的だが、種牡馬ナダルはもしかするとスピードタイプなのかもしれない。

仕上がりは早い。6月からエンジン全開で早い時期から勝ち鞍を量産し、その勢いは12月一杯まで衰えない。早熟なのはほぼ確定的で、あとはどれだけ成長力があるのかだ。

他の特徴としては勝ち鞍のすべてが5番人気以内で、7番人気以下の複勝圏内は無い。つまり人気通りに走る傾向となっている。

イメージとしては同じダート向き種牡馬のヘニーヒューズに近い印象だ。ただ、ナダル産駒はダートではオールマイティーで隙が見当たらない。今後種付け数が伸びればリーディングサイヤーを狙えるほどの種牡馬になるかもしれない。

 

 

3位・アドマイヤマーズ

Halo 3 x 5+5  Northern Dancer 4 x 5

 

 

データで見るアドマイヤマーズ産駒の特徴

距離適性・芝

2024,6,1~2024,12,31

 

距離適性・ダート

2024,6,1~2024,12,31

 

馬場適正

2024,6,1~2024,12,31

 

牡牝の違い

2024,6,1~2024,12,31

 

月別出走数と複勝率

2024,6,1~2024,12,31

 

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は短距離からマイルが中心。牡馬も牝馬も同じ傾向か、牡馬の方がやや守備範囲が広い。勝ち方もダイワメジャーらしく先行抜け出しがあれば溜めて後方一気もあるように、脚質に奥深さがある。

馬場適正は芝が中心。アドマイヤマーズの現役時代のように芝から使われる産駒が多く、勝ち鞍のほとんどが芝である。しかしダートが走らない訳ではなく、勝率は芝の方が高いものの複勝率はあまり変わらない。そのうちダートの勝利数も増えてきて、通算では芝の勝利数が6~7割、ダートが3~4割程度になると想定している。代表産駒は芝からだろう。

牡牝の違いは判断が難しい。勝率は牡馬牝馬ともほとんど変わらないが、複勝率は牡馬が41.7%、牝馬は29.9%となっている。牝馬はダートの好走が少ないためこの結果になったのだと思われるが、スピードがありそうなタイプなのでそのうち牝馬の好走が多くなる可能性がある。

仕上がりは早い。6月こそ勝ち鞍はなかったものの、7~11月までは勝ち鞍を量産。ダイワメジャー系の種牡馬らしく2歳から能力を発揮できている印象だ。ただ、12月に入ると好走がパタッと止まった。有力馬が11月までに出揃ったか、12月は芝の時計が遅くなることから遅い時計に対応できなかったか、それとも単なる早熟なのか。今後の傾向を注視したい。

他の特徴としては母父米国ダート血統との配合の好走が多い。母父米国ダート血統は仕上がりが早い傾向があるので相性が良いのかもしれない。

イメージとしては父のダイワメジャーとかなり似ている。違うところと言えばアドマイヤマーズ産駒の方がキレキレの決め手を使えるタイプが多いこと。クラシックで活躍するよりも、NHKマイルカップやスプリント戦での活躍が多くなりそうだ。

 

 

 

 

 

4位・モズアスコット

Miswaki 4 x 3  Northern Dancer 4+5 x 5+5

 

 

データで見るモズアスコット産駒の特徴

距離適性・芝

2024,6,1~2024,12,31

 

距離適性・ダート

2024,6,1~2024,12,31

 

馬場適正

2024,6,1~2024,12,31

 

牡牝の違い

2024,6,1~2024,12,31

 

月別出走数と複勝率

2024,6,1~2024,12,31

 

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は幅広い。短距離から中距離まで守備範囲が広い。牡牝の違いや血統で距離適性が出る訳ではなく、産駒個別に確認しなければいけない。父・Frankel産駒は馬場も距離も不問のタイプが多いので、それが遺伝されたのかもしれない。

馬場適正は芝ダート兼用だ。勝利数は芝ダートともに5勝ずつで出走数もほぼ同じ。複勝率はダートの方が高いがそこまで違う訳ではない。ダートの方が多少は馬体重が大きい産駒が多いが、馬場適正も産駒個別に確認しなければいけない。

牡牝の違いはおおむね平均的かやや牝馬の活躍が多い。ただ、誤差の範囲と言えるレベルなので、牡牝の違いも産駒個別に確認しなければいけない。

仕上がりは平均的かやや早めに感じる。6月1週目にいきなり3着、3週目に勝利を挙げるなど好スタートを切り早熟かと思われたが、10月頃から中距離での活躍も増えたので成長力もありそう。

全体的な印象はつかみどころがない種牡馬というイメージだ。血統や牡牝の違いで傾向が出る訳ではなく、どういった種牡馬なのかまだ分からない。父・Frankelは多様な産駒を輩出したので、モズアスコットもそうなるのかもしれない。

 

 

5位・タワーオブロンドン

Mr. Prospector 4 x 5  Northern Dancer 5 x 4

 

 

データで見るタワーオブロンドン産駒の特徴

距離適性・芝

2024,6,1~2024,12,31

 

距離適性・ダート

2024,6,1~2024,12,31

 

馬場適正

2024,6,1~2024,12,31

 

牡牝の違い

2024,6,1~2024,12,31

 

月別出走数と連対率

2024,6,1~2024,12,31

 

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は短距離が中心。データ集計期間内は9勝しているがすべて1400m以下。出走数の約半数が1200mとなっており、タワーオブロンドンの現役時代と同様に産駒も短距離血統である。ただ、ダートは中距離でも対応できる産駒が出てくるかもしれない。

馬場適正は芝が中心。タワーオブロンドンの現役時代と同様に産駒も芝から使われることが多く、勝ち鞍の多くが芝となっている。ただ、ダートが走らない訳ではなくスピードを生かして短距離では対応でき、特に道悪の成績が良い。2024年の後半は雨が少なくダートは道悪になることが少なかったので、今後はダートの成績が向上すると思われる。将来的には芝の勝ち鞍の方が多くはなりそうだが、芝ダート兼用種牡馬になっていきそうだ。

牡牝の違いは牡馬優勢である。出走数でここまで差がつくのはかなり珍しいケースだ。牝馬は気難しい性格の産駒が多いこと、タワーオブロンドン産駒は馬体重が大きい産駒の好走が多いことが影響しているのかもしれない。

仕上がりは早い。6月から能力全開で短距離を中心に勝ち鞍を稼ぐ。ただ、10月と12月は勝ち鞍が無しで尻すぼみになっていることが気になる。血統的には母系は成長力がある血統が多いので成長力はありそうだが…。

他の特徴としては芝もダートも道悪の成績が良い。芝は速すぎる時計は厳しく、ダートはパサパサに乾燥して時計が遅くなると厳しい。雨の日に活躍することが多くなるかもしれない。

イメージとしては同じ短距離血統のアドマイヤムーンや、サクラバクシンオーに近い印象だ。それよりはダートが多くなりそうで、短距離向きの芝ダート兼用種牡馬になりそうだ。

 

 

 

 

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