トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【2025年度デビュー新種牡馬・前半】活躍が期待される新種牡馬14頭の傾向を予想

 

2025年度にデビューする新種牡馬は例年並みの35頭となっている。やはり注目されるのは三冠馬のコントレイルで次世代のリーディングサイヤーとして期待される。他にもクリソベリル、ダノンプレミアムなどもおり例年よりも期待度が高い印象だ。

では、2025年度にデビューする新種牡馬から厳選した14頭の傾向を予想するが、まずは前半として7頭を紹介する。

【目次】

 

 

 

 

 

コントレイル

血統

Fappiano 4+5

 

父は説明不要のスーパーサイアーであるディープインパクト。産駒にはジェンティルドンナ、キズナなど数多くのGⅠ馬がいる。

母・ロードクロサイトは未勝利。

母父はブリーダーズカップジュヴェナイル(米GⅠ)など米国でGⅠ2勝したUnbridled's Song。母父としてはスワーヴリチャード、ジャックドールなどを輩出している。

 

2代母・Folkloreはブリーダーズカップジュヴェナイルフィリーズ(米GⅠ)など米国の2歳GⅠを2勝し2005年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出されたが、近親には他に目立った活躍馬はいない。

 

 

現役時代の主な勝ち鞍

  • ホープフルステークス(GⅠ/2019)
  • 皐月賞(GⅠ/2020)
  • 日本ダービー(GⅠ/2020)
  • 菊花賞(GⅠ/2020)
  • ジャパンカップ(GⅠ/2021)
  • 神戸新聞杯(GⅡ/2020)
  • 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ/2019)

 

すべて芝のレースに出走しGⅠレースで優勝した距離は2000m~3000m。好位から中団を追走し上がり3ハロン1位の決め手を繰り出すのが勝利パターン。テンションが高く折り合いに苦労していたが、それでも牡馬三冠を達成するなど能力は非常に高かった。

 

 

産駒の傾向予想

 

ディープインパクト系種牡馬は牝系の特徴を産駒に伝えることが多い。例えばキズナは母系がStorm Cat×Damascusなので先行力とパワー、ディープブリランテは母系が重めの欧州血統なのでスタミナやジリっぽさ、リアルインパクトは母系がスピード豊富なので短距離からマイル前後のスピード、という具合だ。

馬場適正は芝向きが多くなりそうだがダートも十分に走りそうだ。コントレイル自身の現役時代は芝で強かったことと、ディープインパクト系ということもあり産駒の6~7割程度は芝で走りそうだ。ただ、ダートがダメという訳でなく、2代母・Folkloreはアメリカの2歳ダートチャンピオンということもあり一定以上の割合でダートで活躍する産駒も出てくるだろう。芝ダートともにGⅠ馬が出てきてもおかしくない。

距離適性は短距離から中距離が中心になりそうだ。ディープインパクト系種牡馬は牝系の特徴を産駒に伝えることが多く、コントレイルの牝系の血統はアメリカのスピード血統をこれでもかというほど重ねられており、しかも2代母・Folkloreはアメリカの2歳ダートチャンピオンであることから短い距離は得意そう。ただ、コントレイル自身はスラッとした馬体であることから中距離も十分こなしそうだ。2400m以上は配合次第だが少し長いかもしれない。

仕上がりは早めだろう。コントレイルは2歳9月にデビューしているし、きょうだいもすべて2歳でデビューしている。2代母・Folkloreはアメリカの2歳ダートチャンピオンということもあり産駒は2歳から能力を発揮するタイプが多いはずだ。

産駒の傾向としては同じディープインパクト系種牡馬のリアルスティールやリアルインパクトに近いと想定している。どちらも芝ダート兼用で短距離から中距離を中心に活躍しており、ポテンシャルはコントレイルの方が高そうだ。

 

 

 

 

 

クリソベリル

血統

Nureyev 3 x 5  Northern Dancer 4 x 5

 

父はフェブラリーステークス(GⅠ)などダートGⅠを4勝したゴールドアリュール。産駒にはスマートファルコン、エスポワールシチーなど数多くのGⅠ馬がいる。

母は中央の芝中距離で3勝したクリソプレーズ。

母父はジャパンカップ(GⅠ)優勝、凱旋門賞(仏GⅠ)2着などのエルコンドルパサー。母父としてはアイムユアーズ、アンビシャスなどを輩出している。

 

きょうだいには

  • 全兄・クリソライト(ジャパンダートダービー/GⅠ)
  • 半姉・マリアライト(宝塚記念/GⅠなどGⅠ2勝)
  • 半兄・リアファル(神戸新聞杯/GⅡ)

がいる。

 

近親には

  • アロンダイト(ジャパンカップダート/GⅠ)
  • ダンビュライト(京都記念/GⅡなど重賞2勝)
  • ブラックスピネル(東京新聞杯/GⅢ)

などがいる。

 

牝系はスタミナとパワーがある血統でダートや芝の長距離で活躍する馬が多く、特に芝は道悪巧者が多い。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • ジャパンダートダービー(GⅠ/2019)
  • チャンピオンズカップ(GⅠ/2019)
  • 帝王賞(GⅠ/2020)
  • JBCクラシック(GⅠ/2020)
  • 兵庫チャンピオンシップ(GⅡ/2019)
  • 日本テレビ盃(GⅡ/2019)

 

GⅠで優勝した距離はダート1800m~2000m。デビューから国内で8連勝したが、4歳時のチャンピオンズカップでは右後肢の怪我のため4着に敗れる。その後は5歳時に復帰したが重い喘鳴症のため引退、種牡馬入りした。

 

 

産駒の傾向予想

 

ゴールドアリュールの後継種牡馬は多くいるが、ダート向きの産駒を多く輩出するタイプのみとなっている。クリソベリルはきょうだいに芝の重賞を優勝した馬もいるが、普通に考えると他のゴールドアリュール系の種牡馬と同じ傾向になりそうだ。

馬場適正は断然ダート向きだろう。ゴールドアリュール系種牡馬は複数いるが、産駒で芝を走っているのはほぼいない。ゴールドアリュールは産駒をダート向きにする遺伝力が強いようなので、クリソベリル産駒はごく一部の牝馬以外はダート向きになりそうだ。

距離適性は長い方が良さそうだ。クリソベリルの血統を見ると母父エルコンドルパサー、2代母の父Riverman、3代母の父Ribotとスタミナ満点。きょうだいや近親はスタミナとパワーに優れたタイプが多いことから、クリソベリル産駒は基本的には中長距離向きが多くなりそうだ。

仕上がりは普通から晩成傾向がありそうだ。クリソベリル自身は2歳にデビューし、3歳時はGⅠを2勝するなど仕上がりはまあまあ早め。きょうだいも2歳でデビューできているため、クリソベリル産駒は仕上がりが遅いというということは考えにくい。あとは成長力だが、クリソベリル自身は怪我で古馬で活躍した印象は薄いが、きょうだいや近親は古馬になってさらに成長しているタイプが多い。そのため、仕上がりが早い産駒は3歳時から活躍するものの、本格化するのは古馬になってからという産駒が多くなりそうだ。

産駒の傾向としては同じゴールドアリュール系の種牡馬のエスポワールシチーやコパノリッキーよりも、ホッコータルマエやフリオーソに近いと想定している。他のゴールドアリュール系種牡馬の産駒は素軽いスピードがあるタイプは多いが、ホッコータルマエやフリオーソの産駒は中長距離や良馬場ダートで活躍するタイプが多い。クリソベリル産駒はスタミナやパワータイプが多いと思われるので、他のゴールドアリュール系種牡馬とはタイプが違う傾向になると想定している。

 

 

 

 

ダノンスマッシュ

血統

Mr. Prospector 4 x 4  Northern Dancer 5 x 4  Roberto 4+5

 

父は香港スプリント(香港GⅠ)2連覇などスプリントとマイルのGⅠを6勝したロードカナロア。産駒にはアーモンドアイ、サートゥルナーリアなどがいる。

母は米国で1勝のスピニングワイルドキャット。

母父はキングズビショップステークス(米GⅠ)を優勝したHard Spun。

 

近親には

  • Hollywood Wildcat(ブリーダーズカップディスタフ/米GⅠなどGⅠ3勝)
  • War Chant(ブリーダーズカップマイル/米GⅠなど重賞3勝)
  • ministers wild cat(アファームドハンデ/米GⅢ)
  • ivan denisovich(ジュライステークス/英GⅡ)

などがおり、他にも欧米を中心に重賞で好走した馬が数多くいる。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • 香港スプリント(香港GⅠ/2020)
  • 高松宮記念(GⅠ/2021)
  • 京王杯スプリングカップ(GⅡ/2020)
  • セントウルステークス(GⅡ/2020)
  • 京阪杯(GⅢ/2018)
  • シルクロードステークス(GⅢ/2019)
  • キーンランドカップ(GⅢ/2019)
  • オーシャンステークス(GⅢ/2020)

 

重賞で優勝した距離は芝1200m~1400m。デビューからはすべて1600m以下に出走しており、勝利はすべて1400m以下。1600mは騎手のコメントからすると長かったようだ。道悪に強く、のべ7回出走し4勝している。

 

 

産駒の傾向予想

 

ロードカナロアの後継種牡馬はすでにサートゥルナーリアがデビューしており、おおむねサートゥルナーリアの現役時代のイメージ通りの産駒が多い印象だ。キングカメハメハ系種牡馬は芝ダート兼用になるタイプが多かったが、代を経るとその傾向は薄くなり種牡馬の現役時代の傾向が遺伝されるのかもしれない。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。ダノンスマッシュの現役時代はすべて芝のレースに出走したが、血統的には母父Hard Spun、2代母の父Kris S.、3代母の父Mr. Prospectorとなっておりダート向きの印象が強い。ダノンスマッシュの現役時代は道悪巧者だったようにパワーもあるので、芝ダート兼用で大物は芝が多くなると想定している。ただ、血統背景からすると牡馬はダート向き、牝馬は芝向きが多くなる可能性もある。

距離適性は短い方がいいだろう。ダノンスマッシュの現役時代に出走した最長距離は1600mで、勝ち鞍はすべて1400m以下。配合牝馬からのスタミナ強化がないと中長距離は厳しいかもしれない。

仕上がりは標準位かやや晩成気味だと思われる。ダノンスマッシュの現役時代は2歳から能力の片鱗を見せており2歳時にオープン競走を優勝しているが、重賞初制覇は3歳後半になってから。GⅠを優勝したのは5歳と6歳なので、産駒はデビューは早めかもしれないが本格化は古馬になってからだろう。

産駒の傾向としてはパワー系のスプリンターであるタイキシャトルやダイワメジャー、ミッキーアイルに近いのではないか。どの種牡馬も芝ダート兼用でスピードがある産駒が多い。ダノンスマッシュはブリーダーズスタリオンステーションに繋養されているので超大物が出てくるかは不透明だが、重賞を優勝する産駒を輩出するポテンシャルはありそうだ。

 

 

ダノンプレミアム

血統

Hail to Reason 4 x 5  Danzig 4+5  Northern Dancer 5 x 5

 

父は説明不要のスーパーサイアーであるディープインパクト。産駒にはジェンティルドンナ、キズナなど数多くのGⅠ馬がいる。

母・インディアナギャルはアイルランドでリステッド競走などを6勝し、重賞でも好走している。

母父はイギリスのマイル重賞を2勝したIntikhab。母父としてはサトノラーゼン、サトノクロニクルきょうだいや凱旋門賞馬のFoundなどがいる。

 

きょうだいや近親に目立った活躍馬はいない。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • 朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ/2017)
  • 弥生賞(GⅡ/2018)
  • 金鯱賞(GⅡ/2019)
  • マイラーズカップ(GⅡ/2019)
  • サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ/2017)

 

重賞で優勝した距離は1600m~2000m。サウジアラビアロイヤルカップはレコードタイムで優勝、朝日杯フューチュリティステークスは3馬身1/2差で完勝、天皇賞秋では2着だったが1分56秒7で走っているようにマイルから中距離でのスピードは抜群だった。

 

 

産駒の傾向予想

 

ディープインパクト系種牡馬は牝系の特徴を産駒に伝えることが多い。例えばキズナは母系がStorm Cat×Damascusなので先行力とパワー、ディープブリランテは母系が重めの欧州血統なのでスタミナやジリっぽさ、リアルインパクトは母系がスピード豊富なので短距離からマイル前後のスピード、という具合だ。

馬場適正は芝が中心だろう。母、2代母ともにアイルランドで走っており、きょうだいも芝で走るタイプが多い。母父がロベルト系のIntikhabなのでパワー系の配合からはダート向きも出てくるだろうが、産駒は基本的には芝だろう。割合としては、芝が7~8割、ダートが2~3割程度ではないか。

距離適性は幅広いタイプが出てきてもおかしくない。ダノンプレミアムの現役時代は1600m~2000mで活躍し2400mのダービーは少し長い印象だった。しかし母父がロベルト系のIntikhabなのでスタミナもある程度期待できる。産駒は配合次第では2400m程度は十分にこなすと思われる。

仕上がりは標準位か早めだろう。ダノンプレミアム自身は2歳から能力全開で朝日杯フューチュリティステークスを優勝したし、きょうだいも2歳でデビューできているタイプが多い。産駒は基本的には仕上がりは早めだと思われる。ただ、母父ロベルト系というのが曲者で極端なタイプを多く輩出する系統だ。2歳からガンガン走る産駒も出てくるが、古馬になっても中々完成しない産駒も結構出てくるだろう。

産駒の傾向としてはロベルト系のグラスワンダーと近いのではないか。グラスワンダーはロベルト系のSilver Hawk×Danzigという配合で、ダノンプレミアムの母系は母父Intikhab×2代母の父Danehillとなっており配合が近い。上記の通りディープインパクト系種牡馬というのは牝系の特徴を産駒に伝えることが多いため、ダノンプレミアム産駒はグラスワンダーのようなタイプが多く出てくる可能性があり、配合的にはもう少しスピードタイプが多いかもしれない。

 

 

 

 

 

ミスチヴィアスアレックス

血統

Storm Cat 4 x 4  Secretariat 5+5

 

父は6年連続で北米リーディングサイヤーになったInto Mischief。産駒にはAuthentic、Life Is Goodなど数多くのGⅠ馬がいる。

母は北米で2勝のWhite Pants Night。

母父はブリーダーズカップスプリント(米GⅠ)を優勝したSpeightstown。母父としては北米で複数のGⅠ馬を輩出している。

 

近親は北米重賞を優勝した馬が1頭いる程度。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • カーターハンデキャップ(米GⅠ/2021)

他北米重賞3勝。

 

デビューからほぼダートのレースに出生し、重賞で優勝した距離はダート6ハロン~8ハロン(約1200m~約1600m)。スタート良く先行し押し切るのが勝利パターン。しかし揉まれたりスムーズにレースができないと脆い。

 

 

産駒の傾向予想

 

Storm Cat系種牡馬は基本的に筋肉量豊富でパワーに優れたタイプが多く、日本では産駒はダート向きになることが多い。ミスチヴィアスアレックス自身は筋肉量豊富で繋ぎが短く立ちぎみなのでStorm Cat系らしい馬体をしている。

馬場適正はダート向きだろう。ミスチヴィアスアレックスは現役時代に芝のレースに1回だけ出走しているが大敗しており、血統的にも芝向きの要素が少ないので産駒はダートで走るタイプが多くなりそうだ。ただ、Storm Cat系の産駒は仕上がりの早さとスピードを武器に2歳から3歳前半は芝で走るタイプも一定数出てくる。牝馬や、母父サンデー系の中でも特に母父ディープインパクトは芝向きの産駒がある程度は出てきそうだ。割合としては芝が2割、ダートが8割程度と想定している。

距離適性は短い方がいいだろう。ミスチヴィアスアレックスの現役時代は重賞でダート6ハロン~8ハロン(約1200m~約1600m)を優勝しているが、デビュー戦はダート4.5ハロン(約900m)を優勝しておりかなりスピードがある。母父も日本では短距離向きの産駒が多いSpeightstownとなっており、中長距離を走るイメージが湧かない。ダート向きの産駒が多いと想定しているため一定数は1700m~1800mを走るタイプも出てくるだろうが、主戦場は短距離だろう。

仕上がりは早そうだ。やはりミスチヴィアスアレックスはStorm Cat系種牡馬ということもあり仕上がりが遅いとは考えにくく、しかも母父は2歳戦から強いSpeightstownなので2歳から能力全開というタイプの種牡馬だろう。ただ、ミスチヴィアスアレックスはGⅠを優勝したのが5歳なので成長力もありそうだ。

産駒の傾向としては同じStorm Cat系種牡馬のヘニーヒューズやヨハネスブルグと似た感じになりそうだ。特にヨハネスブルグは短距離が得意で仕上がりが早いところが似ており参考になりそうだ。

 

 

マテラスカイ

血統

Secretariat 4+5  Bold Ruler 5+5  Northern Dancer 5 x 5

 

父はブリーダーズカップスプリント(米GⅠ)を優勝したSpeightstown。産駒にはモズスーパーフレア、リエノテソーロなど国内外で多くのGⅠ馬を輩出している。

母は英国で2勝のMostaqeleh。

母父はイギリスの芝GⅠやアメリカのダートGⅢで2着があるRahy。母父としてはGiant's Causeway、マグニフィカなどを輩出している。

 

近親にはイギリスの芝で重賞を優勝している産駒が複数いる。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • プロキオンステークス(GⅢ/2018)
  • クラスターカップ(GⅢ/2020)

 

重賞で優勝した距離はダート1200m~1400m。他にJBCスプリント2着2回、ドバイゴールデンシャヒーン2着がある。4歳時までは勝ち切れず出世が遅れていたが、5歳時から武豊騎手が鞍上になると類まれなるスピードを生かした逃げで重賞戦線で活躍した。ただ、逃げられないと大敗するなど脆い一面もある。

 

 

産駒の傾向予想

 

マテラスカイの父は快速馬のSpeightstownだが、母系は欧州血統で意外とスタミナがある血統となっている。マテラスカイ自身はダート1400mでレコードを出すほどのスピードがあったが、もし母系が強く遺伝されると中距離で活躍する産駒が出てくる可能性がある。

馬場適正は芝ダート兼用だが、どちらかというとダート向きが多くなりそうだ。父・Speightstownの産駒は芝ダート兼用で牡馬はダート向きが多く、牝馬は芝ダートの勝ち鞍が同じくらいとなっている。マテラスカイ自身はダートで活躍したが、母系は欧州の芝で活躍した血統が多いため、産駒は牡馬はダート向きが多くなり牝馬は少し芝向きが多くなるかもしれない。割合としては芝が2~3割、ダートが7~8割位と想定している。

距離適性は短い方がいいだろう。マテラスカイ自身はダート短距離で活躍したし、馬体は筋肉質で脚も太いため基本的には短距離向きの産駒が多くなりそうだ。ただ、上記の通り母系は欧州血統なので母系が強く遺伝されると中距離を走る産駒が出てくることもあり得る。

仕上がりは早めだろう。マテラスカイ自身は中々勝ち切れず初重賞制覇が4歳夏だった。しかしそれは気性の問題もあると思われるため、産駒も気性の問題をクリアできれば仕上がりは基本的には早めだろう。ただ、父・Speightstownの産駒は4,5歳になり本格化する傾向で母系も欧州血統が多いため、マテラスカイ産駒は仕上がりは早いが一時停滞し、本格化するのは4歳以降になるような成長力があるタイプも多くなるかもしれない。

産駒の傾向としてはミッキーアイルやイスラボニータに近いと想定している。両種牡馬の産駒は芝ダート兼用でスピードがあるタイプが多いが、それらよりもやや短距離向きとダート向きが多くなるのではないか。牡馬と牝馬で傾向がだいぶ違うということも考えておきたい。

 

 

ベンバトル

血統

Mill Reef 5 x 4

 

父は愛2000ギニー(愛GⅠ)など芝マイルGⅠを2勝したDubawi。産駒にはPostponed、Rebel's Romanceなど世界中で多くのGⅠ馬を輩出している。

母はフラワーボウルステークス(米GⅠ)など欧米のGⅠを2勝したNahrain。

母父はクイーンエリザベスⅡ世ステークス(英GⅠ)を優勝したSelkirk。

 

半妹には英2000ギニー(英GⅠ)を優勝したElmalkaがいる。また、他に近親には欧州で重賞を優勝した馬が複数いる。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • ドバイターフ(UAE-GⅠ/2018)
  • ダルマイヤー大賞(独GⅠ/2018)
  • ラドブロークススタークス(豪GⅠ/2018)

他重賞7勝。

 

GⅠで優勝した距離は芝1800m~2000m。他の重賞の勝利は芝約1800mだが、UAEのメイダン競馬場でダート1900mの勝利があり、サウジカップ2着がある。逃げ先行して押し切るのが勝ちパターン。芝良馬場で好走しているが道悪では一度も勝てず大敗もあるので、道悪は苦手だったのかもしれない。

 

 

産駒の傾向予想

 

Dubawiの後継種牡馬は日本ではマクフィ、モンテロッソが種牡馬入りしており、ベンバトルで3頭目となる。マクフィ、モンテロッソともに種牡馬としては似た傾向となっているため、ベンバトル産駒も同じ傾向になる可能性がある。

馬場適正は芝ダート兼用か、ややダートの勝利数が多くなるかもしれない。Dubawi系の種牡馬は日本ではすでにマクフィ、モンテロッソの2頭が種牡馬入りしているが、いずれも芝ダート兼用だがダートの方が勝ち鞍が多い。ともにスピードが不足しており、牡馬はダート向き、牝馬は芝ダートの勝ち鞍が同じくらいとなっている。ベンバトルはその2頭よりも血統がやや重めなので、中央での勝ち鞍は芝が2~3割、ダートが7~8割位になると想定している。

距離適性は極端だろう。Dubawiも含めてDubawi系種牡馬の産駒は極端なタイプが多い。芝向きダート向き、短距離型と中長距離型、逃げ先行押し切りと後方一気など産駒によってタイプがバラバラだ。そのためベンバトル産駒の距離適性は、短距離を力任せに走るタイプと、中長距離をゆったり走るタイプの両極端な産駒が出てきそうだ。

仕上がりは標準位か遅めだろう。ベンバトル自身は3歳時から重賞で優勝しているが本格化したのは4歳になってから。血統的にも奥手となっており、3歳後半から4歳になり叩きながら実力をつけていくタイプだろう。

産駒の傾向としては他のDubawi系種牡馬であるマクフィ、モンテロッソの2頭と似た感じになりそうだ。2頭とも芝向きダート向き、短距離型と中長距離型、逃げ先行押し切りと後方一気といった極端な産駒を輩出していることから、ベンバトル産駒も同じ傾向かややスタミナパワー寄りと想定している。ビッグレッドファームにて繋養されており、マイネルなどの競走馬はスタートが上手く逃げ先行押し切りを得意とするタイプが多いので、ベンバトルは非常に相性が良さそうだ。Dubawi系種牡馬の産駒は道悪が苦手なタイプが多いことも注意したい。

 

 

 

 

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