トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【2025年度デビュー新種牡馬・後半】活躍が期待される新種牡馬14頭の傾向を予想

 

2025年度にデビューする新種牡馬は例年並みの35頭となっている。後半の7頭は個性派といった印象でインディチャンプ、キセキ、タニノフランケルなど現役時代は有名だった新種牡馬がいる。

では、2025年度にデビューする新種牡馬から厳選した14頭の傾向を予想するが、今回は後半の7頭を紹介する。

【目次】

 

 

 

 

 

インディチャンプ

血統

Raise a Native 5+5

 

父は香港ヴァーズ(GⅠ)を優勝し、国内では重賞で2,3着が非常に多かったステイゴールド。産駒にはオルフェーヴルやゴールドシップなどがいる。

母は中央で芝ダートの短距離を4勝したウィルパワー。

母父は日本ダービー(GⅠ)などGⅠ2勝のキングカメハメハ。母父としてはワグネリアン、デアリングタクトなど数多くのGⅠ馬を輩出している。

 

半妹にはアウィルアウェイ(シルクロードステークス/GⅢ)がいる。

 

近親には

  • ネオリアリズム(クイーンエリザベス2世カップ/香港GⅠ)
  • リアルインパクト(ジョージライダーステークス/豪GⅠなどGⅠ2勝)
  • アイルラヴァゲイン(オーシャンステークス/GⅢ)

などがおり、他にもオープンクラスで活躍した産駒が多数いる。

 

2代母・トキオリアリティーからの一族は上記の通り非常に優秀で、特に1200mから2000mで活躍する産駒を多く輩出している。インディチャンプはステイゴールド産駒ながらマイルで活躍できたのはトキオリアリティー牝系の特徴を強く受け継いだためだろう。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • 安田記念(GⅠ/2019)
  • マイルチャンピオンシップ(GⅠ/2019)
  • マイラーズカップ(GⅡ/2020)
  • 東京新聞杯(GⅢ/2019)

 

すべて芝のレースに出走し重賞で優勝した距離はすべて1600m。レースに出走した距離は1200m~1800mで、1200m、1400m、1800mの重賞で3着に入った実績がある。レースが上手く道中は先団から中団に位置し速い上がりで差し切るのが勝利パターン。マイルでは速い時計でも遅い時計でも優勝しており、道悪も苦にしない。国内のレースではすべて4着以内に入っており安定感抜群だった。

 

 

産駒の傾向予想

 

2代母・トキオリアリティーからの一族は非常に遺伝力が強く、この一族の産駒のほとんどが1800m以下で活躍している。インディチャンプの父はステイゴールドだが、ステイゴールドの特徴よりもトキオリアリティー一族の特徴を強く伝えそうだ。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。2代母・トキオリアリティーからの一族からはすでにリアルインパクトが種牡馬として活躍しているが、芝ダート兼用となっており中央での勝ち鞍はほぼ同数である。母・ウィルパワーも中央で芝とダートで勝ち鞍を挙げており、インディチャンプの産駒も芝でもダートでも活躍するタイプが出てきそうだ。

距離適性はマイル以下だろう。2代母・トキオリアリティーの一族は距離適性が短いタイプがほとんどで、リアルインパクトの産駒も2000m以上で活躍するタイプは1割にも満たない。インディチャンプの産駒も配合牝馬からスタミナが補強された一部のタイプ以外は基本的には1800m以下で活躍しそうだ。

仕上がりは標準位かやや早めだろう。きょうだいはすべて2歳でデビューし新馬戦を優勝しているため、早い時期にデビューする産駒が多くなりそうだ。ただ、この血統は古馬になってから本格化するタイプが多いことから、インディチャンプの産駒も本領発揮するのは3歳後半以降になりそうだ。

産駒の傾向としては同じトキオリアリティー牝系のリアルインパクトとほぼ同じと思っていいだろう。トキオリアリティーの一族は遺伝力が非常に強く、どの種牡馬をつけても産駒はほぼマイル前後を主戦場とする。そしてその一族の種牡馬であるリアルインパクトの産駒も主戦場はマイル前後だ。ここまで遺伝力が強い牝系は珍しくインディチャンプの産駒のみが例外になるとは考えにくい。同じトキオリアリティー牝系のリアルインパクトを参考にするのがいいだろう。

 

 

 

 

 

フィレンツェファイア

血統

Mr. Prospector 4 x 5  Nearctic 5+5

 

父は米国の短距離GⅠを優勝したPoseidon's Warrior。

母は米国で未勝利のMy Every Wish。

母父はメトロポリタンハンデ(米GⅠ)など米国でGⅠ3勝のLangfuhr。母父としては根岸ステークス(GⅢ)など重賞4勝のテイエムサウスダンを輩出している。

 

近親には

  • Shackleford(プリークネスステークス/米GⅠなどGⅠ3勝)
  • Lady Joanne(アラバマステークス/米GⅠ)

などがいる。

 

父・Poseidon's Warriorは目立った産駒を輩出しておらず、活躍馬はフィレンツェファイアのみとなっている。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • シャンペンステークス(米GⅠ/2017)

他重賞8勝。

 

重賞で優勝した距離はダート6ハロン~8ハロン(約1200m~1600m)。重賞で優勝したのはすべて良馬場で道悪は苦手だったようだ。また、芝の出走歴は無い。

 

 

産駒の傾向予想


2代父であるSpeightstownの系統の産駒は日本にも多く輸入されており、そのほとんどが短距離で活躍している。非常にスピードがある系統でそれがどの程度遺伝されるかがポイントだ。

馬場適正はダート向きが多くなりそうだ。他のSpeightstownの系統の産駒は日本ではダートで走るタイプが多くなっており、フィレンツェファイア自身も現役時代はダートで活躍した。他のSpeightstownの系統の産駒は中央では芝が2、ダートが8の割合で勝ち鞍を挙げているが、フィレンツェファイアの配合牝馬は母系にサンデーサイレンスの血が入っていることが多いことから、もう少し芝の割合が多くなりそうだ。

距離適性はマイル以下だろう。フィレンツェファイアは繋ぎが短く雄大な馬体をしておりいかにも短距離馬といった印象だ。他のSpeightstownの系統の産駒のほとんども中央では1400m以下で勝ち鞍を挙げており、フィレンツェファイア自身も現役時代はマイル以下で活躍したことから、産駒もほとんどが短距離で活躍するだろう。

仕上がりは早めだろう。他のSpeightstownの系統の産駒は2歳からデビューするタイプが多く、フィレンツェファイア自身も現役時代は2歳時にGⅠを優勝しているため産駒は仕上がりが遅いとは考えにくい。ただ、フィレンツェファイア自身は6歳まで現役を続け活躍しており、また他のSpeightstownの系統の産駒は古馬になってもう一段階成長するタイプも多いことから、単なる早熟血統ではなさそうだ。

産駒の傾向としてはやはり他のSpeightstownの系統と同じようなイメージだ。短距離をスタートからエンジン全開で走り切るタイプが多くなるだろう。スムーズにレースができないと脆いタイプが多いことから逃げ先行馬が揉まれると凡走し、すんなりとレースできれば強い内容で勝つタイプが多くなりそうだ。

 

 

ヴァンゴッホ

血統

クロス無し

 

父は米国三冠など米国でGⅠを8勝した歴史的名馬・American Pharoah。産駒にはカフェファラオ、ダノンファラオなどGⅠで優勝した馬が複数いる。

母は英オークス(GⅠ)などGⅠ2勝のImagine。

母父は愛2000ギニーなどGⅠ3勝の名種牡馬・Sadler's Wells。母父としてはシーザリオ、エルコンドルパサーなど複数のGⅠ馬を輩出している。

 

きょうだいには半兄にHoratio Nelson(ジャンリュックラガルデール賞/仏GⅠ)がおり、他にも欧米で重賞を優勝した馬が3頭いる。

 

近親には

  • ジェネラス(キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス/英GⅠなどGⅠ4勝)
  • Moonlight Cloud(モーリスドゲスト賞/仏GⅠ3回などGⅠ6勝)
  • Sobetsu(サンタラリ賞/仏GⅠ)
  • ディーマジェスティ(皐月賞/GⅠ)
  • タワーオブロンドン(スプリンターズステークス/GⅠ)

などがおり、他にも世界各国で重賞を優勝した馬が多数いる。

 

3代母・Margarethenは繁殖牝馬として非常に優秀で、世界中で活躍馬を輩出する一大牝系を築いている。このMargarethenの系統からは上記の他にもフリオーソ、ミッキーロケット、イグナイターなどもおり、ヴァンゴッホは極めて優秀な一族出身である。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • クリテリウムアンテルナシオナル(仏GⅠ/2020)

 

重賞の勝利は上記のみでフランスの2歳GⅠで芝1600m、不良馬場で行われた。6頭立てで道中は最後方を追走したものの、最後の直線で差し切り4馬身差で圧勝した。3歳時は愛2000ギニーなどに出走したものの愛2000ギニーの3着が最高成績。

 

 

産駒の傾向予想

 

父・American Pharoahの後継種牡馬は日本ではフォーウィールドライブがいるが、産駒はほぼダートの傾向だ。ただ、ヴァンゴッホの母系は上記の通り芝の名血なので、ヴァンゴッホ産駒は父系と母系どちらの遺伝が強いかが注目される。

馬場適正はダートが中心だろう。ヴァンゴッホはダートで活躍したAmerican Pharoahと、芝で活躍したImagineとの配合であるが、馬体を見ると首や胴、繋ぎが短くダート短距離馬っぽい印象であるため、産駒はダートが中心になりそうだ。ただ、サンデー系肌馬と配合された一部の牝馬は芝で走る馬も出てくるだろう。割合としては芝が2割位、ダートが8割位と想定している。

距離適性は短い方が良く、長くても中距離位までだろう。上記の通りヴァンゴッホの馬体は首や胴、繋ぎが短く短距離馬っぽい印象だ。現役時代もマイルまでの距離で活躍し、3歳時のフランスとアイルランドのダービーは距離が長かったようだ。ダート向き種牡馬との評価なので配合次第では1800mまでは守備範囲だろうが、もっと長い距離は配合牝馬からのスタミナ強化がなければ厳しいのではないか。

仕上がりは早いだろう。ヴァンゴッホの現役時代は2歳時は活躍していたが、3歳はからっきしという成績だった。血統からすると古馬になってからも成長力がありそうだが、基本的には2歳から能力全開というタイプだと思われる。

産駒の傾向としては4代父・エンパイアメーカーに近いと想定している。エンパイアメーカーは基本的にはダート向きの種牡馬だったが一部の牝馬は芝で活躍した。ヴァンゴッホ産駒はエンパイアメーカーよりも距離適性は短めだろうが、おおむね似た傾向と思われる。また、エンパイアメーカー系種牡馬の産駒は揉まれると弱いという特徴を持っているので、ヴァンゴッホ産駒もそれを受け継いでいる可能性が高い。

 

 

キセキ

血統

Northern Dancer 5 x 5

 

父はクイーンエリザベスⅡ世カップ(香港GⅠ)を優勝したルーラーシップ。産駒にはヘデントール、ソウルラッシュなどのGⅠ馬がいる。

母は不出走のブリッツフィナーレ。

母父は説明不要のスーパーサイアー・ディープインパクト。母父としてはジェラルディーナ、ドルチェモアなど数多くの重賞馬を輩出している。

 

きょうだいには全妹にビッグリボン(マーメイドステークス/GⅢ)がいる。

 

近親には

  • ダイワエルシエーロ(オークス/GⅠ)
  • グレーターロンドン(中京記念/GⅢ)
  • ビッグプラネット(京都金杯/GⅢなど重賞2勝)

などがいる。

 

2代母・ロンドンブリッジはファンタジーステークス(GⅢ)で優勝し、桜花賞(GⅠ)でも2着に入った馬である。母になってからはダイワエルシエーロなどを輩出し、さらに牝系からは多くの活躍馬を輩出する名牝系となっている。この一族は配合する種牡馬によって芝ダート、短距離から長距離までバラエティーに富んだ産駒が出ている。

 

 

現役時代の重な勝ち鞍

  • 菊花賞(2017/GⅠ)

 

重賞の優勝は菊花賞のみ。しかし、ジャパンカップ(GⅠ)であのアーモンドアイの超絶レコードタイムに0.3秒差の2着など、GⅠで2着4回、重賞でも2,3着に入るなど好走が多かった。デビューからすべて芝のレースに出走し、出走した距離はすべて芝1800m以上で基本的には2000m以上を主戦場とした。良馬場、道悪ともに活躍したが、菊花賞は大雨によりドロドロの不良馬場で行われ、決着時計は例年の優勝時計と比べると約15秒ほと遅い相当タフなコンディションの中で優勝している。

 

 

産駒の傾向予想

 

ルーラーシップの後継種牡馬はキセキが初。キングカメハメハ系の種牡馬はロードカナロア、ドゥラメンテなどがおり、おおむね現役時代と同じような傾向の産駒が多くなっている印象だ。

馬場適正は芝が中心だろう。キセキは現役時代は芝で活躍していたし、母父もディープインパクトとくれば産駒は芝向きが多くなるのは自明の理。ただ、キセキはドロドロの不良馬場で行われた菊花賞で優勝するなどスタミナやパワーがあること、2代父がキングカメハメハであることからダート向きの産駒は一定程度は出てくるだろう。割合としては芝が6~7割位、ダートが3~4割位と想定している。

距離適性は長い方がいいだろう。キングカメハメハ系種牡馬の産駒は、父の現役時代と似た傾向を持つタイプが多い。ロードカナロアは芝短距離、ドゥラメンテは芝中長距離、ホッコータルマエはダート中距離といったタイプの産駒が多いことから、キセキ産駒は芝ダートともに距離は長い方が良さそうだ。

仕上がりは遅めだろう。キセキは2歳12月の新馬戦で優勝しているが、他のきょうだいの初勝利は3歳になってからである。キセキは3歳前半には能力の片鱗を見せていたものの本格化したのは3歳夏以降だ。そのため、産駒も本格化するのは3歳夏から4歳になってからだろう。

産駒の傾向としては父・ルーラーシップと似た感じになりそうだ。父・ルーラーシップの現役時代は芝中長距離で活躍し、産駒は芝ダート兼用であるものの長い距離が得意なタイプが多い。キセキ産駒は血統的にもう少しスピードがありそうだが、基本的にはルーラーシップとほぼ同じと考えても良さそうだ。

 

 

 

 

 

ダノンキングリー

血統

Northern Dancer 5 x 4

 

父は説明不要のスーパーサイアーであるディープインパクト。産駒にはジェンティルドンナ、キズナなど数多くのGⅠ馬がいる。

母は米国で1勝のマイグッドネス。

母父は米国の2歳ダートGⅠで優勝のStorm Cat。母父としてはロードカナロア、Churchillなど世界中で数多くのGⅠ馬を輩出している。

 

きょうだいには

  • 半兄・ダノンレジェンド(JBCスプリント/GⅠ)
  • 半兄・ダノングッド(種牡馬)

などがいる。

 

近親にはWest Coast(トラヴァーズステークス/米GⅠなどGⅠ2勝)などがいる。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • 安田記念(GⅠ/2021)
  • 毎日王冠(GⅡ/2019)
  • 中山記念(GⅡ/2020)
  • 共同通信杯(GⅢ/2019)

 

重賞で優勝した距離は芝1600m~1800m。他に日本ダービー(GⅠ)で2着、皐月賞(GⅠ)と大阪杯(GⅠ)で3着がある。好位から中団に位置し速い決め手を繰り出すのが勝利パターン。道悪には1度しか出走していないが敗れており、荒れた馬場も不得意のようだ。

 

 

産駒の傾向予想

 

ディープインパクト系種牡馬は牝系の特徴を産駒に伝えることが多い。例えばキズナは母系がStorm Cat×Damascusなので先行力とパワー、ディープブリランテは母系が重めの欧州血統なのでスタミナやジリっぽさ、リアルインパクトは母系がスピード豊富なので短距離からマイル前後のスピード、という具合だ。

馬場適正は芝ダート兼用だろう。上記の通りディープインパクト系種牡馬は牝系の特徴を産駒に伝えることが多い。ダノンキングリーの牝系はダート向きのタイプが多く血統的にもダートを伝える要素が強い。ただ、やはりディープインパクトの系統なのでメインは芝になりそうだ。割合としては芝が5~7割位、ダートが3~5割位と想定している。

距離適性は短距離から中距離が中心になりそうだ。ダノンキングリーの現役時代はマイルから中距離で活躍したが、きょうだいは短距離タイプが多い。そのため、牝馬は短距離からマイルくらい、牡馬はマイルから中距離向きのタイプが多くなると想定している。

仕上がりは早めだろう。ダノンキングリー自身は2歳10月にデビューしているし、きょうだいも2歳でデビューしていることから、産駒も早い時期にデビューできるタイプが多くなりそうだ。ただ、ダノンキングリーは5歳に安田記念を優勝しているし、半兄のダノンレジェンドは6歳でJBCスプリントを優勝していることから成長力はありそうだ。

ディープインパクト×Storm Catの配合の種牡馬はすでにキズナ、サトノアラジン、リアルスティール、エイシンヒカリなどがおり、すべて芝ダート兼用の種牡馬となっている。ダノンキングリーはこの中ではサトノアラジン、エイシンヒカリが近そうだ。サトノアラジンは短距離から中距離が中心でダートの勝ち鞍が多い。エイシンヒカリは短距離が中心で中距離も対応でき芝の勝ち鞍が多い。ダノンキングリーはサトノアラジンよりも芝の勝ち鞍が多く、エイシンヒカリよりも距離の融通がききそうだと想定している。

 

 

ポエティックフレア

血統

Northern Dancer 5 x 5+5+5  His Majesty 5 x 5

 

父は英2000ギニー(英GⅠ)などGⅠ4勝のDawn Approach。産駒はポエティックフレアの他にはオーストラリアのGⅠを優勝したPauleleがいる程度。

母は欧州で未勝利のMaria Lee。

母父は英2000ギニー(英GⅠ)などGⅠ7勝し欧州のマイル戦線を席巻したRock of Gibraltar。母父としてはミッキーアイル、Kamekoなど多くの重賞馬を輩出している。

 

きょうだいや近親に活躍馬はいない。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • 英2000ギニー(英GⅠ/2021)
  • セントジェームズパレスステークス(英GⅠ/2021)

他重賞1勝。

 

すべて芝のレースに出走しGⅠで優勝した距離は約1600m。他にもGⅠで2着が3回ある。先行し残り数百メートルで抜け出すのが勝利パターン。デビューからほとんどのレースでマイル前後の距離に出走していた。

 

 

産駒の傾向予想

 

父・Dawn Approachの産駒は日本に数頭輸入されており、芝ダート兼用でマイル前後の距離を得意としているタイプが多い。

馬場適正は芝の勝利数が多くなりそうだがダートもこなせると想定している。ポエティックフレアの現役時代は芝で活躍していたし、血統的にも芝向きが多い。社台スタリオンステーションにて繋養されており配合牝馬もサンデー系の血が含まれている肌馬が多いので、産駒も芝向きが多くなりそうだ。ただ、父・Dawn Approachは芝血統ながらも産駒はダートで走るタイプもいるため、一定数はダートで活躍しそうだ。割合としては芝が6~7割位、ダートが3~4割位と想定している。

距離適性は短い方が良さそうだが、配合次第では中距離程度もこなしそうだ。ポエティックフレアの現役時代はマイル前後の距離で活躍したし、母父もRock of Gibraltarなので産駒は基本的にはマイル以下の距離が良さそうだ。ただ、父・Dawn Approachの産駒は中距離もこなすタイプもいるので、ポエティックフレア産駒も一定程度は中距離を主戦場とするタイプも出てきそうだ。

仕上がりは早めだろう。エティックフレアの現役時代は2,3歳から能力全開だったことと、牝系の一族は早熟タイプが多いため、産駒も早い時期から活躍できそうだ。

ポエティックフレアは受胎率がかなり悪いようですでにプライベート種牡馬扱いとなっている。2024年以降の種付け数はかなり少なくなっているようなので、この世代の活躍がなければ今後が厳しい。

 

 

タニノフランケル

血統

Northern Dancer 4+5

 

父は欧州芝でGⅠ10勝した歴史的名馬・Frankel。産駒にはソウルスターリング、Alpinistaなど世界中でGⅠ馬を数多く輩出している。

母は牝馬ながら日本ダービー(GⅠ)を優勝したウオッカ。

母父は日本ダービーを優勝したタニノギムレット。母父としてはテンハッピーローズ、オーヴェルニュなど多くの重賞馬を輩出している。

 

きょうだいや近親には目立った活躍馬はいない。ただ、牝系は日本でも有数の一大牝系・シラオキ系であり、この牝系からはスペシャルウィーク、シスタートウショウなど多くの活躍馬がいる。

 

 

現役時代のな勝ち鞍

  • なし

 

重賞の優勝はない。ただ、小倉大賞典(GⅢ)で2着、中山金杯(GⅢ)で3着がある。デビューからほとんど芝1800m~2000mで使われ26戦4勝。勝ち鞍はすべて芝1800m~2000m。他にダートで2戦、障害競走を1戦使われているがいずれも大敗している。スタート良く逃げ先行して押し切るのが勝利パターン。道悪で2勝していることからタフな馬場が得意だった。

 

 

産駒の傾向予想


父・Frankelは配合牝馬の特徴を引き出す能力が高いようで、ソウルスターリングは母が仏オークスを制したスタセリタだからかオークス(GⅠ)を優勝したし、グレナディアガーズも母はブリーダーズカップフィリー&メアスプリントを制したウェイヴェルアベニューだからか朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)を優勝した。他のFrankel産駒も配合牝馬の特徴を引き出している印象で、日本でいえばキングカメハメハに近い。タニノフランケルの母はウオッカなので、産駒にはウオッカの特徴を遺伝させると想定している。

馬場適正は芝が中心だろう。タニノフランケル自身は現役時代にダートを2戦して大敗していたし、母父・タニノギムレットの産駒もダートは苦手としていた。タニノフランケルは現役時代は馬体重が約520kgだったこともあり大きい産駒や配合牝馬がダート血統だと一部はダートで走るかもしれないが、基本的には芝が中心になりそうだ。

距離適性は長めが良さそうだ。きょうだいはタニノミッションを除きすべてが中距離前後で活躍しているし、母・ウオッカは芝1600m~2400mで活躍していた。母父・タニノギムレットも産駒は長めの距離を得意としていることから、タニノフランケル産駒も長めの距離が主戦場になりそうだ。

仕上がりは早めだろう。この牝系は2歳の早い時期にデビューできるタイプが多く、タニノフランケル自身も2歳8月にデビューしている。勝つかどうかは別として、2歳でデビューできる産駒が多くなりそうだ。

上記の通り父・Frankelは配合牝馬の特徴を引き出す能力が高いようなので、タニノフランケル産駒は母・ウオッカ、または母父・タニノギムレットの特徴を伝えると想定している。スローペースの決め手比べよりはハイペースが得意で、長く脚を使えるタイプが多くなるだろう。あとはどれだけ質が高い産駒を輩出するかだ。

 

 

 

 

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