トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【ドゥラメンテ】種牡馬の特徴 中距離が中心で将来的には芝ダート兼用か!?(2022,7,23更新)

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皐月賞とダービーを優勝してクラシック牡馬二冠を達成したドゥラメンテ。その後もドバイシーマクラシック、宝塚記念で2着に入るなどの活躍があったが、ケガの影響で2016年に引退。種牡馬になってからは初年度から多くの繁殖牝馬を集め期待されたが、2021年8月31日、急性大腸炎のため残念ながら死亡してしまった。しかしその後の菊花賞でタイトルホルダーが優勝するなど、残された産駒の活躍が期待される。

ここでは、ドゥラメンテ産駒の特徴を紹介する。

 

 

【目次】

 

 

 

血統

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Northern Dancer 5+5 x 5

父は説明不要のスーパーサイアー・キングカメハメハ。

母はエリザベス女王杯(GⅠ)2連覇など重賞5勝のアドマイヤグルーヴ。

母父はこちらも説明不要のスーパーサイアー・サンデーサイレンス。

2代母は天皇賞・秋(GⅠ)など重賞7勝の名牝・エアグルーヴ。

3代母はオークスを制したダイナカール。

 

近親には

  • ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世カップ/香港GⅠなど重賞5勝)
  • オレハマッテルゼ(高松宮記念/GⅠなど重賞2勝)
  • アイムユアーズ(フィリーズレビュー/GⅡなど重賞4勝)

など他にも多くいる。

 

このダイナカール一族は日本でも超一流の名牝系として知られ、芝ダート、短~長距離を問わず数多くの活躍馬を輩出しているが、基本的には芝の中長距離向きのタイプが多い。ドゥラメンテもその傾向が遺伝されたようで、スタミナもスピードも優れたタイプに仕上がった。

5代血統表の母系の父を遡ると、キングカメハメハ、サンデーサイレンス、トニービン、ノーザンテースト、ガーサントと日本のリーディングサイアーを獲得した種牡馬が代々配合された超良血馬であり、まさに日本競馬の至宝と言ってもいいだろう。

 

 

現役時代

デビューは2014年10月12日、東京芝1800m。上がり3ハロン1位の末脚を繰り出したものの、出遅れが響き2着に敗れる。

2戦目は約1か月後の東京芝1800m。ゲート内で立ち上がるなど不安定な面を見せたが、2着に6馬身の差をつけ勝利。しかし発走調教再審査を課されたこともあり、このレースで2歳シーズンを終える。

3歳シーズンは2月1日、東京芝1800mのセントポーリア賞から始動。中間にゲート練習をしたこともありまずまずのスタートを切り、直線で抜け出すと2着に5馬身差をつけて勝利した。

次走は中1週で共同通信杯(GⅢ、東京芝1800m)に出走。スタートは他馬と同程度だったが、道中は折り合いを欠きポジションを徐々に下げる。直線では上がり3ハロン1位の末脚を繰り出したものの、好位でスムーズに運んだリアルスティールの2着に敗れた。

次のレースは賞金不足の懸念もあったが、馬の状態を優先させ皐月賞(GⅠ、中山芝2000m)に出走。スタートは悪くなかったが2枠2番ということもあり道中は後方2~3番手の内を折り合い良く追走。3~4コーナーで徐々にポジションを上げると、4コーナー出口付近では最内から大外へドリフトを思わせる大斜行するが、直線では上がり3ハロン1位の末脚を繰り出し、2着のリアルスティールに1馬身半差をつけ優勝、3代母から親子4代のGⅠ制覇となった。

そして次走はもちろんダービー(GⅠ、東京芝2400m)に出走。スタートは他馬と同程度に出て、道中は少し力みながらも中団外を追走。直線では残り300m付近で先頭に立つと、追いすがるサトノラーゼンに1馬身4分の3差をつけ優勝、クラシック二冠を達成した。

3歳秋は菊花賞(GⅠ)かフランス凱旋門賞(GⅠ)を視野に入れていたが、放牧先で軽度の骨折が判明。全治半年と診断されたため、3歳シーズン後半は静養することとなった。

4歳シーズンは2月28日の中山記念(GⅡ)から始動。スタートは少し出遅れたものの、すぐに挽回し道中はやや先行寄りの中団外を追走。3~4コーナーは少し外に振られたものの徐々にポジションを上げ、直線はアンビシャスの追撃を振り切り優勝し復帰戦を飾った。

次走はドバイシーマクラシック(GⅠ、芝12ハロン)を選択。しかしパドックでは落ち着きがない様子を見せ、馬場入場後に右前脚を落鉄するアクシデントが発生。蹄鉄の打ち直しができないまま出走することとなった。レースでは折り合い重視のためか後方外を追走。3~4コーナーで徐々にポジションを上げ直線では前を必死に追ったが、前年の"キングジョージ"優勝馬のPostponed(ポストポンド)の2着に敗れた。

その後は帰国し宝塚記念(GⅠ、阪神芝2200m)へ出走。馬場は前日の雨の影響で稍重とタフなコンディション。スタートは若干遅めだったが1000m通過59.1秒とハイペースの中、道中は後方から4~5番手位で折り合い良く追走。4コーナー付近から追い上げ直線へ向かったが進路取りに手間取る。なんとか大外へ出し逃げたキタサンブラックを追い上げゴール前で交わしたが、道悪巧者のマリアライトにクビ差届かず2着に敗れた。

その直後に歩様を乱し鞍上のミルコ・デムーロが下馬、左前肢の跛行と診断された。しかしレース3日後、複数の靭帯や腱の損傷、球節の腫れなどで競争能力の喪失と診断され引退、社台スタリオンステーションにて種牡馬入りすることとなった。

重賞で優勝した距離は1800mから2400m。皐月賞では上がり3ハロンのタイムが2位に0.6秒差の33.9秒と抜群の切れ味を見せ、ダービーではディープインパクトや父のキングカメハメハの時計を0.1秒上回る2分23秒2を記録するなど、類まれなスピードとキレを持っていた。

ただ、デビュー戦では出遅れで2着に敗れたほか、ドバイシーマクラシックでは外れた蹄鉄を打ち直せないなど気性に問題があった。また、馬場状態が稍重だった宝塚記念で敗れたように、道悪も苦手だったのかもしれない。

 

 

主な勝ち鞍

  • 皐月賞(GⅠ/2015)
  • 日本ダービー(GⅠ/2015)
  • 中山記念(GⅡ/2016)

 

 

代表産駒

  • 2018年産駒

・タイトルホルダー(天皇賞春・GⅠ/2022、他GⅠ2勝、重賞2勝、2022年6月末現在)

・アリーヴォ(小倉大賞典・GⅢ/2022、2022年6月末現在)

 

  • 2019年産駒

・スターズオンアース(オークス・GⅠ/2022、2022年6月末現在)

 

 

 

 

 

ドゥラメンテ産駒の特徴

距離適正

2020,6,1~2022,5,31

 

短距離から長距離まで守備範囲は広めだが、基本的には中距離が中心。普通、このようなタイプは牡馬は中長距離、牝馬は短~中距離と牡牝で距離適性が違うものだが、ドゥラメンテ産駒は珍しく牡馬も牝馬も同じ傾向だ。

短距離で走る産駒は母父か牝系が短距離を中心に活躍していて、しかも気性が前向きなタイプが多い。例えば、マーガレットステークス(L)を優勝したアスコルターレは母父Danehill Dancer(デインヒルダンサー)だし、イレ込むタイプだ。

中長距離で走る産駒も気性が前向きなタイプもいるが、基本的には折り合いがつくタイプが多い。菊花賞(GⅠ)を優勝したタイトルホルダーは逃げられないと力んで凡走するが、すんなりと逃げると折り合い良くスイスイと走れる。

近親にルーラーシップがいるように産駒の傾向も似ているが、ドゥラメンテ産駒産駒は距離適性がもう少し短めだ。

 

ダート

2020,6,1~2022,5,31

 

ダートはまだデータが少なめだが、マイルから中距離が中心。ダートは今のところ、牡馬は短距離から中距離まで守備範囲が広いが、牝馬は今のところ1200mの勝ち鞍が無い。なぜこのような結果になったのかは分からないが、牝馬は気性が繊細な印象がある。

ドゥラメンテ産駒がダートで走るためには揉まれないことが必須だ。勝ち馬のほとんどが4角3番手以内に位置しており、中団や後方からの勝利は稀となっている。出走馬を見て揉まれずに走れるかがダートで走るための最大のポイントである。

 

 

馬場適正

若駒戦、芝とダートの割合

2020,6,1~2022,5,31

 

古馬、芝とダートの割合

2021,6,1~2022,5,31

全体的な傾向では出走数や勝利数は芝の方が多いが、勝率は芝もダートも変わらない。

芝血統だし、ドゥラメンテ自身も現役時代は芝で活躍したためか、産駒も芝から走らせるケースが多く、若駒は芝の勝利数が多い。しかし芝で頭打ちになった産駒はダートに鞍替えして活躍するケースが目立つ。

近親のルーラーシップも同じだが、ダイナカール牝系はパワーやスタミナが豊富なので、種牡馬になるとダートでも活躍馬を多く輩出する傾向だ。

今後はもっとダートの勝利数が増え、芝ダート兼用種牡馬のイメージが強くなってくるだろう。ただ、基本的には芝血統のため代表産駒は芝馬が多くなるはずだ。

 

 

コース適正

2020,6,1~2022,5,31

 

中山、福島、阪神内回りなどの小回り右回りのコースが得意な傾向だ。特に中山芝1800mは勝率19.5%、単勝回収率118%。福島芝1800mは勝率21.7%、単勝回収率103%となっており、複勝では穴をあけるケースも目立つ。時計勝負よりも上がりが遅くなる展開が得意なので、小回りで好走するのだろう。

左回りの、特に中京は苦手な傾向で、産駒を個別に見るとキレ負けするケースが目立つ。中京の芝コースはコーナーがキツく、しかも直線がそれなりに長いためジリっぽいドゥラメンテ産駒は合わないのだろう。

馬場状態は稍重と重の成績が良い。ドゥラメンテ産駒は比較的、速い時計にも遅い時計にも対応できるタイプが多いが、速い時計勝負だとディープインパクト産駒などにスピード負けし、遅い時計勝負だと欧州血統などにスタミナ負けする。そのため、ほどよく時計が遅くなる稍重と重が得意になるのだろう。

 

ダート

2020,6,1~2022,5,31

 

ダートは芝と逆で、左回りが得意な傾向だ。特に東京、新潟が好成績で、その中でも東京ダート1600mは勝率15.4%となっている。ドゥラメンテ産駒はダートだと速い上がりを使えるタイプが多いので、直線が長く、しかも芝スタートの東京ダート1600mがベストコースなのだろう。

苦手なのは阪神ダート1400m以下だ。どちらも直線に坂があり上がり3ハロンが遅くなりがちなので合わないのかもしれない。中山ダート1200mが苦手なのも同じ理由だと思われる。

馬場状態はまだデータが少ないが、不良の成績がかなり良い。勝率14.6%、単勝回収率260%となっており、大穴をあけるケースもかなり目立つ。

 

 

牡牝の勝利数の違い

若駒戦

2020,6,1~2022,5,31

 

古馬

2021,6,1~2022,5,31

牡馬の方がおおむねダブルスコアで勝利数が多いため、牡馬優勢である。ただ、これはダートの勝利数の差がこの結果になっており、牡馬は芝の勝利数が71勝でダートが50勝、牝馬は芝が47勝でダートが18勝。これが牡馬と牝馬の勝利数の差だ。

しかし、それでも牝馬は牡馬に比べると成績が落ちる傾向だ。ドゥラメンテ産駒はパワーとスタミナがある血統なので、牝馬にはそれが遺伝しにくくこの結果になったのだと思われる。

上級条件で勝利するのも牡馬が多い傾向なので、ドゥラメンテは牡馬優勢の種牡馬である。

 

 

 

 

 

クラス別勝利数

2020,6,1~2022,5,31

 

ダート

2020,6,1~2022,5,31

芝は新馬の勝率が高めだ。特に1800mは勝率19.7%と優秀で、上位人気から下位人気まで好走する。生産牧場も社台系以外からもかなり高い確率で好走しているので、新馬の1800mは狙い目だ。

まだデータが少ないので分からない部分も多いが、芝はクラスが上がる毎に勝率も上がる傾向だ。ドゥラメンテ産駒はスタミナやパワーがあるタイプが多いので、クラスが上がって道中の流れが速くなった方がレースがしやすいのだろう。

重賞の勝率が低いのはまだ世代が少ないからだろう。底力がある血統なので段々と勝率は上がってきそうだ。

 

ダートはまだデータが少ないので難しいが、古馬の勝率が高いのでそのうち上級条件で活躍する馬も出てくるだろう。

 

 

母父の血統

2020,6,1~2022,5,31

ノーザンD系=ノーザンダンサー系 ネイティブD系=ネイティブダンサー系 ロイヤルC系=ロイヤルチャージャー系

 

芝はロイヤルチャージャー系のロベルト系との相性が良い。まだ上級条件で活躍する産駒は少ないが、勝率14.7%で下位人気でも好走する傾向だ。

ネイティブダンサー系との相性も良い。オープンクラスで活躍しているアイコンテーラーは母父ケイムホームだし、青葉賞(GⅡ)で2着に入ったキングストンボーイは母父フォーティナイナーだ。ネイティブダンサー系の中でも筋肉量が少ないタイプの母父の活躍が目立つ。

サンデーサイレンス系との相性はあまり良くない。ドゥラメンテ自身は母父がサンデーサイレンスとなっているため、母父サンデー系の肌馬と配合するとサンデーサイレンスの3×3か3×4となり血が濃くなるため、相性が良くないのだろう。

基本的に芝馬は馬体重が460~499㎏の標準かやや軽めの馬格だと活躍することが多い。あまり馬体重が多すぎるとスピードが不足しパワーが強く出てしまうようで、米国血統の筋肉量が豊富な繁殖牝馬とは合わない傾向だ。

 

ダート

2020,6,1~2022,5,31

ノーザンD系=ノーザンダンサー系 ネイティブD系=ネイティブダンサー系 ロイヤルC系=ロイヤルチャージャー系

 

ダートは全体的に米国ダート血統との相性が良い。というのもダートで活躍するドゥラメンテ産駒は馬格が大きいタイプが多く、馬体重が500㎏を超えると勝率がグンと上がる。米国ダート血統は筋肉量が豊富なのでこの結果になったのだろう。

サンデーサイレンス系など馬格が小さくなりやすい血統との相性は悪い。こういったタイプは芝向きになりやすい傾向だ。

 

 

成長度

2020,6,1~2022,5,31

まだデータは少ないが仕上がりは標準か早め。3歳の前半は勝率が低くなるが、これはダートのレースが多くなり牝馬の活躍が少くなるためだろう。牡馬は3歳になっても勝率があまり下がらない傾向なので、血統面からしても成長力はありそうだ。

 

 

ドゥラメンテ産駒の特徴まとめ

  • 距離適性は牡馬も牝馬も、芝もダートも中距離が中心
  • 馬場適正は芝の方が勝利数が多いが、勝率は変わらないため芝ダート兼用
  • 牝馬はダートが苦手
  • ダートは逃げ先行して揉まれなければ好走する
  • 芝のコース適正は右回りの小回りが得意で、左回りが苦手
  • ダートは左回りが得意で、特に東京ダート1600mは大得意
  • 牡馬優勢
  • 血統は、芝向きは馬格が小さくなりやす配合で、ダート向きは大きくなりやすい配合

 

 

個人的に考えるドゥラメンテ産駒の特徴

ドゥラメンテ産駒が得意な芝のバイアスは

  • 馬場    軽い、やや軽い、標準、やや重い、重い、極悪
  • 上がり   速い、やや速い、標準、やや遅い、遅い、極悪
  • 枠     超内、内、フラット、外、超外
  • 直線の伸び 内、やや内、フラット、やや外、外
  • 前後    超前、前、展開次第、差し、超差し

と想定している。

馬場は軽くても対応できるが、どちらかというと重い方が良い。良馬場の勝率が10%に対し、稍重だと13.3%となっている。あまり重すぎると厳しいが、少し時計は遅くなった方が良い。

上がりはどちらかというと遅い方が良い。ディープインパクトなどのようにキレキレの決め手を使えず、しかも底力があるタイプなので、上がりが遅くなる消耗戦やスタミナが要求される決め手比べだと好走しやすい。

枠や直線の伸びはあまり傾向が出ていない。産駒個別で対応したい。

前後もあまり傾向が出ていない。

スタミナやパワーがあり、ジリっぽい産駒が多い印象だ。近親で似た配合のルーラーシップ産駒と傾向が似ているが、ドゥラメンテ産駒の方が少し器用でスピードがあり、少しスタミナを引いたような感じである。父のキングカメハメハや母父のサンデーサイレンスよりも、2代母の父のトニービンに似ているイメージだ。

 

ダートの得意なバイアスは

  • 馬場    軽い、やや軽い、標準、やや重い、重い、極悪
  • 上がり   速い、やや速い、標準、やや遅い、遅い、極悪
  • 枠     超内、内、フラット、外、超外
  • 直線の伸び 内、やや内、フラット、やや外、外
  • 前後    超前、前、展開次第、差し、超差し

と想定している。

馬場は軽い方が良い。良馬場の勝率が11.8%に対し、不良だと14.6%となっている。ドゥラメンテは芝血統なので、スピードが出やすい軽い馬場が得意な傾向だ。ただ、稍重の勝率は7%となっていることに注意したい。

上がりは速い方が良い。特に1600m以下はスローペースの決め手比べが得意で、速い上がりが出やすいレースでの勝率がかなり高い。ただ、1800m以上だと上がりが遅くなっても対応できる傾向だ。

枠はあまり傾向が出ていない。基本的には揉まれなければ好走する確率が高いので、枠よりもスムーズに走れるかが重要だ。

直線の伸びは内伸びの方が良い。ドゥラメンテ産駒のダート馬は基本的には逃げ先行して押し切るのが勝利パターンとなっており、差し馬が台頭しにくい内伸びだと好走する確率が上がる。

前後は前有利の方が良い。やはり逃げ先行して押し切るのが勝利パターンなので、差し馬が台頭しにくい前有利だと好走する確率が上がる。

 

 

 

 

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