トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【2023年度新種牡馬 2歳リーディング】1~5位をデータで分析

 

2023年度にデビューした新種牡馬は例年と同程度か少し多い約40頭となっている。ただ、例年と比べると種付け数が少なく、大物が少ないのかなといった印象だ。しかし、その中でもスワーヴリチャードはホープフルステークスの勝ち馬を出すなど、今後の活躍が楽しみである。

全部で2023年度新種牡馬ファーストサイヤーリーディングの上位10頭を紹介する予定だが、今回は第一弾として1~5位のデータを紹介する。

【目次】

 

 

 

 

 

1位・スワーヴリチャード

クロス無し

 

データで見るスワーヴリチャード産駒の特徴

距離適性・芝

2023,6,1~2023,12,31

距離適性・ダート

2023,6,1~2023,12,31

馬場適正

2023,6,1~2023,12,31

牡牝の違い

2023,6,1~2023,12,31

月別出走数と連対率

2023,6,1~2023,12,31

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は幅広く、おおむねマイル~中距離となっているが、牡馬は中距離が中心、牝馬はマイル前後が多い。牡馬はデータ集計期間内ではまだ大物はいないが、勝ち鞍の約半数が1800mで、距離はさらに伸びても良さそうな雰囲気がある。クラシックは適距離だろう。牝馬の代表産駒はレガレイラ(ホープフルS/GⅠ)、コラソンビート(京王杯2歳S/GⅡ)で、どちらも牡馬相手に勝利した。スピード、スタミナ、決め手が他の産駒と比べても優れており、今のところはマイル前後が中心だが今後は中長距離でも活躍しそうだ。

馬場適正は芝の勝利数が多い。出走数も勝利数も血統通り芝で走る産駒が多く、代表産駒も芝馬であることから、芝適性の高さが感じられる。しかし、ダートがダメな訳ではなく、データ集計期間内では4勝で勝率20%となっており、ダートも走る。これは母父Unbridled's Songからの影響だと思われる。ダートは非社台系生産牧場の産駒が多い。ちなみに、データ集計期間内では芝の道悪での勝利は無い。

牡牝の違いはおおむね平均的な数字である。ただ、重賞を優勝した代表産駒が2頭とも牝馬となっており、血統的にもスピードがありそうな産駒が多いことから、今後は牝馬の活躍が多くなってくるかもしれない。ちなみに、牝馬は人気上位が走る傾向だが牡馬は人気薄でもバンバン走り、牡馬のデータ集計期間内での単勝回収率は261%となっている。

仕上がりは早めとなっている。ただ、牝馬はレガレイラがホープフルSを優勝したし、牡馬は初勝利こそ早いが2勝目を挙げる産駒が少ないことから、3歳以降にも活躍しそうな雰囲気がある。単なる早熟ではなさそうだ。

イメージとしてはハーツクライ系の種牡馬にしてはスピードがあり芝馬も多いので、キタサンブラックやスペシャルウィークに近い印象だ。芝はクラシックでも活躍する産駒が多く出そうなので、あとはダートではどれだけ活躍馬が出てくるかが注目される。

 

 

 

 

 

2位・ブリックスアンドモルタル

Storm Bird 3 x 3  Prince John 5+5

 

 

データで見るブリックスアンドモルタル産駒の特徴

距離適性・芝

2023,6,1~2023,12,31

距離適性・ダート

2023,6,1~2023,12,31

 

馬場適正

2023,6,1~2023,12,31

牡牝の違い

2023,6,1~2023,12,31

月別出走数と連対率

2023,6,1~2023,12,31

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性はマイル前後が中心。牡馬も牝馬も同じ傾向だ。1200m以下は出走数が少なく、好走はそこそこあるもののスピード不足が目立つ。2000mも出走数が少なく勝ち切れない。データ集計期間内では1400m~1800mは出走数も勝率も高い。

馬場適正は、勝利数は芝が多いが、勝率や複勝率はダートの方が高い。芝はデータ集計期間内では11勝を挙げているが、そのうち8勝が社台系生産牧場となっている。データ上では芝ダート兼用だが、血統的には今後は社台系は芝ダート兼用、非社台系はダートが中心になっていくものと思われる。ちなみに、データ集計期間内ではダートで走る馬は馬体重が479㎏以下だとほぼ走らない傾向となっている。

牡牝の違いは判断が難しい。勝率は牡馬が8.2%で牝馬が12.9%だが、複勝率は牡馬が35.3%で牝馬が18.6%となっている。牡馬がスピードが不足していて勝ち切れないことがこの結果になったのだと思われる。今後は成長にともない牡馬の成績が向上していくと思われるが……。

仕上がりは平均的かやや遅め。6月の早い時期に2勝を挙げたがその後が続かず、勝利数が増えたのは9月からとなっている。ダートのレースが9月ごろから増えてくるのが要因だと思われるが、パワーはあるがスピードが不足している印象があるので、もしかすると晩成傾向があるのかもしれない。

全体的な産駒の傾向は、社台系生産馬と非社台系生産馬で分けた方が良いかもしれない。社台系は芝で走る産駒が多く、それらは母父や母系にサンデー系の血統を内包している。そういった産駒は素軽いスピードと決め手を使うタイプがいて、基本的にはサンデー系種牡馬の産駒と思った方が良さそう。非社台系は典型的なStorm Cat系のダート馬が多く、逃げ先行して押し切るタイプが多い。代表産駒は芝よりもダートから出てくるものと思われる。

 

 

3位・ニューイヤーズデイ

Mr. Prospector 3 x 5  Hail to Reason 5 x 5  Natalma 5 x 5

 

 

データで見るニューイヤーズデイ産駒の特徴

距離適性・芝

2023,6,1~2023,12,31

距離適性・ダート

2023,6,1~2023,12,31

馬場適正

2023,6,1~2023,12,31

牡牝の違い

2023,6,1~2023,12,31

月別出走数と連対率

2023,6,1~2023,12,31

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性はマイル前後が中心。牡馬も牝馬も同じ傾向だ。1200m以下だと忙しく、2000mだと長い産駒が多い。配合次第ではもっと幅広い距離に対応できそうだが、基本的にはマイル前後だろう。

馬場適正は芝ダート兼用だが、どちらかというとダート向きの産駒が多い。血統では芝ダートの判断は難しく、馬体重が軽めだと芝、重めだとダートが現状では多くなっている。

牡牝の違いはおおむね平均的な数字となっている。牡馬だから中長距離のダート、牝馬だから短距離の芝といったことも無く、あまりこれといったデータは出ていない。

仕上がりは遅めかもしれない。6,7月はデビューが少なく、初勝利は8月になってから。そこから段々と勝利数を増やし、ファーストサイヤーでは3位になった。まだ2勝目を挙げている産駒が1頭しかおらず、晩成傾向がうかがえる。

どうやら気性が難しい産駒が多いようだ。1戦目ではスタート良く逃げ切ったかと思えば2戦目では出遅れて惨敗や、外枠で折り合いがつかず引っ掛かってしまうなどがあるようだ。強い勝ち方をする産駒も結構いるので、気性が安定してくれば重賞で活躍するタイプも多く出てきそうだ。

 

 

 

 

 

4位・レイデオロ

Mr. Prospector 3 x 4  Northern Dancer 5+5

 

 

データで見るレイデオロ産駒の特徴

距離適性・芝

2023,6,1~2023,12,31

距離適性・ダート

2023,6,1~2023,12,31

馬場適正

2023,6,1~2023,12,31

牡牝の違い

2023,6,1~2023,12,31

月別出走数と連対率

2023,6,1~2023,12,31

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は中長距離が中心。データ集計期間内では1500m以下にのべ23頭が出走し勝ち馬は無し、2着1回のみとなっており、勝ち鞍の最低距離は1600m。ここまで徹底的に短距離が苦手なのは珍しい。将来的には距離が伸びた方が良いタイプだろう。

馬場適正は芝向きが多い。データ集計期間内では全14勝中、芝が12勝、ダートが2勝となっている。ただ、ダートが苦手という訳ではなさそうで、複勝率はむしろダートの方が高い。今後は産駒が増えてくると、芝ダート兼用との評価になるかもしれない。

牡牝の違いは完全に牡馬優勢となっている。データ集計期間内では全14勝中、牡馬が14勝、牝馬は勝ち馬無し。ここまで徹底的に牝馬が走らないのはかなり珍しく、これは母父シンボリクリスエスの影響が強いのだろう。シンボリクリスエスはロベルト系で、ロベルト系は牡馬優勢になりやすい。牝馬は強い内容の敗戦もほぼ無く、今後もあまり期待できないのではないか。

仕上がりは遅め。中長距離のレースが増えてくる9月から勝ち鞍が増え、後半へ向けて成績が向上してきた。さらに長距離が増える3歳以降はさらに成績が良くなるはずだ。

全体的な印象は、母父シンボリクリスエスの影響が強そうだ。シンボリクリスエスの産駒も仕上がりは遅め、距離は長めが得意、牡馬優勢などの特徴がある。種牡馬のレイデオロは基本的にはシンボリクリスエスの産駒をイメージするのが良さそうだ。

 

 

5位・カリフォルニアクローム

Mr. Prospector 4 x 3  Northern Dancer 4+5  Numbered Account 4+4

 

 

データで見るカリフォルニアクローム産駒の特徴

距離適性・芝

2023,6,1~2023,12,31

距離適性・ダート

2023,6,1~2023,12,31

馬場適正

2023,6,1~2023,12,31

牡牝の違い

2023,6,1~2023,12,31

月別出走数と連対率

2023,6,1~2023,12,31

解説

データはすべて出走数、複勝数、複勝率で表している。これは勝利数や勝率だとデータが少なすぎるので、サンプルが多い出走数、複勝数、複勝率で出すことにした。

 

距離適性は短距離から中距離まで幅広いが、どちらかというと中距離寄りか。芝の出走数は1200mが最多だが、3着以内は無し。次が1600mで2勝している。ダートは1800mが最多で、他の主要距離の出走数は10回弱。血統による距離の違いはあまり無く、どちらかというと気性によるものが大きいっぽい。

馬場適正は芝ダート兼用となっている。データ集計期間内では全9勝のうち、芝が4勝、ダートが5勝。勝率はほぼ変わらず、複勝率はダートの方が若干高い。種牡馬としてのカリフォルニアクロームは日本で供用される前にすでに北米とチリで供用されており、その時からダートの方が勝ち鞍が多いが基本的には芝ダート兼用だった。今後は血統的にダートの方が勝ち鞍が多いだろうが、基本的には日本でも芝ダート兼用だろう。

牡牝の違いは牝馬優勢となっている。データ集計期間内では出走回数は牡馬が73回に対し牝馬が37回だが、勝利数は牡馬が3勝、牝馬が6勝となっている。スピードがある種牡馬は牝馬優勢になりやすいので、種牡馬としてのカリフォルニアクロームはスピードタイプなのだと思われる。

仕上がりは標準的か。8月までは勝ち鞍は無く、初勝利は9月に入ってから。ただ、新馬戦よりも未勝利戦の勝率が高いことから、叩かれて良くなるタイプだと思われるのでこの結果になった可能性がある。早熟ではなさそうだ。

全体的に掴みどころが無い印象だ。スピードがあるタイプなのは分かるが、それ以外はデータが少なく判断が難しい。質が高い繁殖牝馬の産駒が少ないので、もしかすると繁殖牝馬の質が高くなればもっと走る産駒が出てくる可能性がある。

 

 

 

 

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